「ダンボール影アート」と呼ぶ、ダンボールを使った摩訶不思議な作品が人気を博し、SNS総フォロワー数は300万人超、TikTokの平均再生数・平均エンゲージメント率でいずれも日本一に輝いたこともあるアーティスト・黒主厳太さん(25)※。その華やかな活躍の裏には、ギャンブル依存症の両親のもとで育ち、4歳から児童養護施設で過ごした壮絶な半生がある。
※100万人以上の登録者を持つ国内のTikTokアカウント(24年6月末時点)が、2023年7月1日~2024年6月30日に投稿した動画。投稿後に削除された動画もカウントする。BitStar調べ。
ゴミ屋敷状態の家で、ほぼネグレクト状態だった
黒主さんが生まれた家庭は、父母ともにギャンブル依存症だった。幼いころからパチンコ店に連れていかれ、両親が遊戯している間に1人で店の外へ出て、車にひかれかけたこともある。
父は個人事業主で網戸の張替えを行っていたが、次第に収入が減っていった。ギャンブルに収入を全てつぎ込んでしまうこともあり、黒主さんが4歳になる頃には借金が1000万円近くに膨らんでいたという。住まいはゴミ屋敷状態のアパートで、祖母の証言によれば腐ったパンを食べていたこともあったとされる。
家族の状況を見かねた叔母の手により、黒主さんは4歳で児童養護施設に入所。しかし、ここでの生活はさながら地獄のような壮絶なものだった。
毎晩、舐める行為を強要され……
入所した施設には、非行歴のある子や精神的に不安定な子など様々な背景を持つ子どもが集まり、いじめや暴力が日常的だったという。黒主さんは「今思えば、本当に異常な環境でした」と振り返る。
園庭で遊ぼうにも外に出ると暴力を振るわれるため、身を守るために職員がいる室内で絵を描いて過ごした。小学生のころ、施設にいた高校生の似顔絵を描いたところ、暴力や嫌がらせが収まったことから自分を守る手段としてアートに興味を持っていったという。それでも「絵が好きとか楽しいと思ったことは一度もありませんでした」という黒主さんの言葉は、当時の切迫した状況を物語っている。
施設でさまざまな経験をしてきた中でも黒主さんが「今でも忘れられない」と語るのは、同室の中学生男子2人から受けた性虐待だ。
「毎晩、性器を舐める行為を強要されました。強い気持ち悪さと恐怖をハッキリ覚えています」
もちろん、抵抗もした。しかし、嫌がったり、職員に伝えようとしたりすると、さらなる嫌がらせを受けるため、次第に抵抗をやめていき、受け入れるしかなかった。
施設の砂場から、違法薬物が……
続くインタビュー記事では、この他に施設で経験した違法薬物が砂場から出てきたという衝撃的な体験や、12歳で退所して家族と暮らすようになってから待っていた出来事、そしてそれらを乗り越えて黒主さんがいかにSNSで大バズりするアーティストになっていったのかをまとめています。ぜひお読みください。

