被害者が声をあげやすい環境が整った一方で…

 元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士が語る。

「かつての強制性交等罪や準強制性交等罪は、『暴行又は脅迫』を用いたり『心神喪失若しくは抗拒不能の状態』を利用して性行為に及ぶことが成立要件でした。しかし『抗拒不能の状態』という要件は抽象的で、何が犯罪になるのか必ずしも明確ではなかった。そのため被害を受けても『処罰対象ではないかもしれない』と被害申告を諦めたり、捜査機関が立件に消極的になるケースもあるとされてきました。

 そこで刑法改正後の不同意性交等罪は、同意なき性行為につながる『経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力』や『予想と異なる事態に直面させることによる恐怖・驚愕』など8つの類型を明記し、被害者にも警察にも、性犯罪を認知しやすくしています。また、改正前の『性交等』は『性交、肛門性交、口腔性交』に限られていましたが、法改正で『膣()しくは肛門に身体の一部や物を挿入する行為』も追加されました」

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相次ぐ令和型“美人局”

 警察庁が被害者の心身負担の軽減や積極捜査を促す旨の通達を現場の警察官向けに出していることもあり、被害証言のみで容疑者逮捕に踏み切る事例も増えている。つまり法改正により、これまで泣き寝入りせざるを得なかった被害者が、声をあげやすい環境が整ったと言える。

写真はイメージ ©AFLO

 だが、被害者のための法改正を悪用し、事後に「不同意だった」と主張して示談金を受け取る、いわば令和型の“美人局(つつもたせ)”が相次いでいるというのだ。冒頭に紹介した山野さんも、あやうく被害に遭いかけた一人である。

 この続きでは、突如警察から出頭要請が来た男性や“劇場型の美人局”の体験をしてしまった男性が、実際の被害や当時の心中を告白。実録ルポ「令和の美人局」記事の全文は、現在配信中の「週刊文春 電子版」および6月11日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる。

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