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「なんだこれ、意味わかんねえや」衝撃だった深夜番組

―― 『ひょうきん族』以降のお笑い番組で、印象的だったのは?

ザコシショウ 竹中直人さんの番組がすごく衝撃的で。僕、竹中直人さんが尊敬する人ナンバー1ぐらいなんですよ。ドリフ見て、『ひょうきん族』見て、若い世代のウッチャンナンチャンさん、ダウンタウンさん、あとB21スペシャルさんとか見て……。だいたい見つくしたなと思っていたとき、エロかった『11PM』見ようと思って、テレビ見ていたわけですよ(笑)。それで深夜にザッピングしていたら、竹中直人さんがやっていた『東京イエローページ』っていうのがあって。僕が知ってた普通のお笑い論とかけ離れたようなコントをしていたんです。

―― どんなコントか覚えてますか?

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ザコシショウ サラリーマン2人が歩いていて、他愛もない話をしてるんですよ。「この間、上司がムカついたからね、お前なんか“屁の河童”だって言ってやったんだよ」って。そうしたら一方のサラリーマン役の竹中さんが怒って「『の』ってなんだ」って。「え?」「“屁の河童”の『の』ってなんだよって言っているんだよ。『屁』が『河童』を所有しているのか。なんだそれ」と怒ってケンカをしだすんですけど、いきなり「アーッ!」と聞こえるんですよ。そしたら、ビシバシステムの人が近くの陸橋から落ちて、「ああ、落ちた」ってまっすぐ倒れているんですね。まっすぐ。それがオチなんですよ。もう「なんだこれ、意味わかんねえや」と思って。

「いまがあるのは、竹中直人さんのせいですよ、絶対」

―― スゴい……。

ザコシショウ あと、「クイズそっちの方がスゲェ~」っていうクイズ番組風のコント。竹中直人さんがショスタコビッチ三郎太みたいなキャラクターで出てくるんですけど、もう3分くらいずっと「アーーーッ!」って喚き散らして。それで急にクイズの回答者に「どうですか?」って。聞かれたほうは「なんだ?」みたいな顔でずっと無言。それだけのコントなんだけど、こりゃ、すげえなって。こんな気が狂った芸人さんがいるんだと思って、そこからずっと追いかけている。

 なんかもうそこから、普通のお笑いを見るとちょっと物足りなくなっちゃったんです。いまがあるのは、竹中直人さんのせいですよ、絶対。それを見なかったら僕、たぶんアンジャッシュみたいなことをやっていたと思う。ハハハ。

―― それっていくつぐらいのときですか。

ザコシショウ 中1、中2ぐらいです。そこからもうビデオ屋行って、竹中直人さんのビデオをいろいろ買い漁って。ひどいんですよ。「竹中直人の放送禁止テレビ」っていうビデオがあるんですけど、いまはたぶん売ってない。めちゃくちゃ放送禁止なことを言うから、よく出したなって。うんこがプカプカ浮いてるところで、シンクロナイズドスイミングやるとか。あとね……(以下自粛)。

―― ……(絶句)。

ザコシショウ あれはすごかったですね。そりゃビデオでしか出ないわっていう。

―― 竹中さんとお会いしたことは。

ザコシショウ ないんですよ。先輩のなだぎ武さんが竹中さんと仲が良くて、よく聞くんですけどね。「飲み会に誘われてね、この間」って。うらやましいなって思うんですけど、あまり接点ないのに行くのもなんかあれだなと思って。なにかで共演して、行くんだったらいいんですけど。