ジャーナリスト・相澤冬樹氏の取材によって、元国税庁長官の佐川宣寿氏が、老舗の名門企業に“天下り”していることが発覚した。「週刊文春」7月2日発売号でこの問題が報じられると、インターネット上では企業のガバナンスを問う声や、様々な憶測が広がっている。

 森友学園への国有地値引きを巡り、財務省理財局長として公文書改ざんを主導した佐川氏。2017年に国税庁長官となるも、近畿財務局の赤木俊夫さんが遺書で改ざんを告発し命を絶つと、一度も会見をせずに辞任していた。

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2018年3月9日に国税庁長官を辞任した佐川宣寿氏 ©時事通信社

 佐川氏はカセットコンロで知られる岩谷産業の100%子会社、岩谷瓦斯(がす)の社外取締役に就任。岩谷産業はLPガスと水素のトップ企業で、連結売上高は9000億円超、グループ会社は200社を超える上場企業だ。

 岩谷瓦斯のウェブサイトには、役員欄に「社外取締役(非常勤) 佐川 宣寿」と記載されている。

 親会社の岩谷産業は、佐川氏の選任理由について「同氏の経験・専門性、独立性等を確認したうえで、企業価値向上に貢献いただけるものと考え、選任したものです」と回答。就任は今年6月12日付である。

「ガバナンスはどうなっているのか」

 この一件について、Yahoo!ニュースのコメント欄では様々な意見が寄せられている。

 あるユーザーは、公文書改ざんを主導し、部下が命を絶つ事態を招いた人物を社外取締役に迎える企業の姿勢に疑問を呈し、「岩谷瓦斯のガバナンスはどうなっているのか」と指摘。さらに、森友学園問題が現在も「未解決事件」であり、追及すべきとの見方を示した。

 また、別のユーザーは経営判断として「企業価値を貶めるような判断はあり得ない」とし、「何かいかがわしい事情が裏にあるとしか思えない」とコメント。従業員や株主、消費者の誰も評価しないだろうとの考えを述べている。

 一方で、「受け入れたどの企業も週刊誌あたりに叩かれるだろうことは、折り込み済みでしょ。多少一時のマイナスイメージより彼を“入れる”ことのメリットの方が大きい。そうさせちゃってるのは、国民」と分析する声もあった。

 佐川氏の新たな役職が明らかになったことで、森友学園問題を巡る議論に、再び注目が集まっている。

 現在は一心中の「週刊文春 電子版」および7月2日(木)発売の「週刊文春」では、佐川氏の報酬やガバナンスの問題についての岩谷産業の回答、佐川氏が取締役に就任したもう一つの名門企業の実名、バイオ企業に財務省OBの紹介で顧問になったことなどを、詳しく報じている。

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