“伝説のスカウト”逮捕――。
7月1日、NHKなど各社が一斉にこう報じた。いかにも「大物」が検挙されたような印象だが、実際に取材を進めると……。
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「そんなヤツ知らない」「伝説のスカウト? 何すか、それ(笑)。」
社会部記者が解説する。
「7月1日、警視庁は女性を違法に風俗店に紹介したとして、佐藤健容疑者(41)を職業安定法違反の疑いで逮捕しました。佐藤は新宿・歌舞伎町を拠点にして20年以上、路上で女性に声をかけるスカウト行為を続けてきた。雨が降ろうが風が吹こうが毎日のように路上に立ち、スカウトを続けてきたことから、捜査員や関係者の中には佐藤を“伝説のスカウト”と呼ぶものもいたそうです」
警察が記者にレク(事件概要の説明)で、わざわざ“伝説のスカウト”と伝えたことから、各社一斉に上記のような見出しで報道するに至ったようだ。果たして、歌舞伎町の「生きる伝説」の正体は? だが、記者が20代の現役スカウト関係者らに話を聞くと、一様に「そんなヤツ知らない」と言い切るのだ。
「伝説のスカウト? 何すか、それ(笑)。そもそも今どき、路上でスカウトやってるヤツなんかいないっすよ。警察が見張っているかもしれない路上でスカウトするなんて、ハイリスクすぎるっす」
歌舞伎町周辺で活動する若いスカウト関係者に話を聞いても反応はほとんど同じだった。一体、佐藤は関係者にとってなぜ“伝説”だったのか?
『条例違反で初めて逮捕された伝説の男』
10年以上前にスカウトから足を洗ったという、会社経営者の男性が打ち明ける。
「若いスカウトがヤツを知らないのも無理はありません。ヤツが伝説を作ったのは今から20年近く前でしたから」
2008年、都内の繁華街などで女性への迷惑な声掛け、スカウト行為が相次いでいたことから、街頭での勧誘などを禁止する改正「都迷惑防止条例」が施行された。その条例違反で初の逮捕者となったのが今回検挙された佐藤だったのだ。
「当時、佐藤は大学生で、とあるスカウトグループに所属していた。まだスカウトを始めたばかりだったのに逮捕されたんです。逮捕後も、業界から足を洗わずにスカウトを続けたので、周りからは『条例違反で初めて逮捕された伝説の男』と呼ばれるようになったわけです。その後、スカウトグループを辞めて独立。全盛期は月1000万円以上を稼ぐこともあったようです」(同前)


