今年4月に著書『施設がそんなにダメですか? ~認知症になった祖母の地獄の在宅介護~』(ブックマン社)を上梓したインフルエンサーのカマたくさん(37)。

 2022年9月から認知症の祖母(当時90歳)を在宅介護することになったが、その実態は想像をはるかに超えるものだったという。カマたくさんは「対戦相手がニワトリだと聞いていたのにダチョウが出てきた」くらいのギャップがあったと当時をこう振り返る。

カマたくさん ©文藝春秋

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「誰よアンタ!!」と叫ばれ、手作りの味噌おにぎりをスマッシュされ…

 祖母の認知症の症状は、「しゃべる、動く、騒ぐ、殴る」というアグレッシブなものだったという。

「おにぎりならなんでもいい」と言う祖母のために、かつて祖母から教わった思い出の味噌おにぎりを作って渡しに行くと、「誰よアンタ!!」と叫ばれ、おにぎりをはたき落とされた。

 壁に飛び散った味噌の汚れを夜中に掃除したというエピソードは、笑えるようで笑えない在宅介護のリアルを如実に物語っている。

「大好きだったおばあちゃんはもう死んだ」

 窓から「監禁されてる」「虐待されてる」と6時間ぶっ通しで叫び続けて近所騒動になったこともあった。母親は祖母に腕を引っ張られてアザができるほど強く当たられ、ストレスが限界に達して突発性難聴を発症。

 姉は介護中に過呼吸になった。カマたくさん自身も不眠症となり、睡眠導入剤に頼る日々を送っていた。

 そんな極限状態の中でカマたくさんが心の支えにしたのが、ある「割り切り」だった。祖母に「アンタ誰!?」と叫ばれた時、心の中で「大好きだったおばあちゃんはもう死んだ」「今、目の前にいるのは『ご縁あってお世話をすることになった認知症の高齢女性だ』」と思うことにしたのだという。

 

「1日に20回くらい『早く死んでくれないかな』と思っていました」

 感情で受け止めてしまうと辛くなるからこそ、感情を切り離すことで介護を続けられたのだと語る。

 それでも、「私も母もストレスでボロボロになっていた時期は、1日に20回くらい『早く死んでくれないかな』と思っていました」とカマたくさんは明かす。言動や態度には一切出さなかったというが、その本音の告白は、在宅介護がいかに介護者を追い詰めるものかを静かに示している。

 在宅介護の過酷な日々の詳細は、インタビュー本編で語られている。

〈つづく〉

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