アニメ『日常』の東雲なの役などで知られる声優の古谷静佳さん。彼女は2015年、4トントラックに巻き込まれる大事故に遭った。頭蓋骨骨折、くも膜下出血などの重傷を負い、一時は命も危ぶまれたという。

「今は生きていますし、もう笑い話にしています」と語る彼女に一体何が起きたのか。ライターの徳重龍徳氏が詳しく聞いた。

古谷静佳さん ©佐藤亘/文藝春秋

4トントラックに巻き込まれる大事故

 事故が起きたのは2015年、古谷さんがフリーランスの声優として活動を始めた翌年のことだった。当時26歳だった彼女は、その日、友人と自身の誕生日の前祝いを楽しんでいたという。

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「気分良くなっていたんです。それで『今日は歩いて帰ろう』と最寄駅の一駅前から降りて歩いて帰った時に事故に遭いました」

 時刻は深夜0時前。もともと交通事故が多発していたという交差点で、悲劇は起きた。4トントラックの運転手が助手席の同乗者と話すうちに、よそ見運転をしてしまったことが原因だった。右折する際に彼女の存在に気づかず、そのまま巻き込んでしまったのだ。

2015年、誕生日の前祝いで友人と会う古谷さん。交通事故に遭ったのはこの日の帰り道だった

病院に搬送される中、なぜか口にした意外な人の名前

 古谷さん自身に事故当時の記憶はなく、詳しい状況を知ったのはずっと後になってからだった。発見された時、彼女は意識不明の状態でトラックの車両の下にいたという。

「倒れた時に不幸中の幸いで、タイヤとタイヤの間にいたようで、それで事故に巻き込まれながらも奇跡的に生きていられたんです」

 体は擦り傷程度で骨折もなく、顔も無事だった。しかし、トラックがぶつかった衝撃のすべてを頭で受けてしまい、頭蓋骨骨折とくも膜下出血という診断が下された。記憶障害も残った。

 しかし病院に搬送された直後、ストレッチャーの上で「意識ありますか!」と聞かれた際には、自分の名前や住所、家族構成をすべて答えられたという。

©佐藤亘/文藝春秋

「あと全然詳しくないのに、なぜか王貞治さんの話をしていたみたいで。なんでだったのか、いまだにわからないんですが、そこだけはすごく覚えています(笑)」

 その後、古谷さんは3日間、目を覚まさなかった。緊急治療室での治療が続く中、医師は母親に「もし不整脈が出たら死の危険があるから、その時は覚悟してください」と告げた――。

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 続く記事では、古谷静佳さんが九死に一生を得るまでの経緯や後遺症、彼女を待っていた壮絶な闘病生活などをまとめています。ぜひ、合わせてお読みください。

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