最初の夫ジム・ドアティとの出会い

 中学校を卒業したノーマ・ジーンはゴダード家の近くにあるヴァン・ナイス高校に進学する。この頃、彼女は最初の結婚相手、ジム・ドアティに出会っている。ジムはゴダード家の向かいに住んでおり、ロッキード社で働いていた。

 ノーマ・ジーンはすぐに彼に惹かれた。口髭を生やした顔は、子どもの頃に父親と思い込んだクラーク・ゲーブルに似ていた。彼女はエレノアに“素敵なパパみたい”と話している。ジムはノーマ・ジーンの5歳年上だった。

 グレースはノーマ・ジーンとジム・ドアティを結婚させようと考えた。定職に就いた夫のゴダードがウエスト・バージニア州に転勤することになったため、グレースも夫についていくことに決めた。

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 しかし、夫の娘、エレノアはいいが、ノーマ・ジーンまで連れていく余裕はない。彼女が結婚してくれれば、渡りに船だった。

マリリン・モンロー ©文藝春秋

 ジムにノーマ・ジーンを、クリスマス・パーティーに誘うよう声をかけたのはグレースだった。ジムもその誘いに乗って、ノーマ・ジーンとパーティーに出かけた。

 スローなダンスになると、ノーマ・ジーンはジムにぴったり体を寄せた。ジムも彼女が突然大人になったようで、胸の鼓動が激しくなった。

「本当にドキドキしてしまったよ」

グレースの画策で進んだ結婚

 グレースは、ジムとノーマ・ジーンの接近を後押しした。ドアティの母親エセルも巻き込んで、二人のデートを画策した。映画のチケットを渡したり、ドライブの計画を立ててあげたり、次第にジムもノーマ・ジーンとの週末を楽しみにするようになった。

 そんなとき、グレースはノーマ・ジーンに告げた。

 夫が転勤でウエスト・バージニアに行かなければならないこと、そして、グレースとエレノアはついていくと決めたこと。一方、ノーマ・ジーンは連れていけない、だから、ジムと結婚したほうがいいと。

 ノーマ・ジーンはグレースにまたもや裏切られたと思った。しかし、もう慣れっこだった。なおかつ、今回は孤児院ではなく、夫のジムとその家族がいるだけ何倍もよかった。

 一方、ジムの母親エセルもジムに迫った。

「ゴダード一家はノーマ・ジーンをおいていくつもりよ。ジム、もし、あなたが結婚しなければ、彼女は孤児院に入らなければならないのよ。彼女が嫌いでなかったら、一緒になってあげなさい」