ノーマ・ジーンは16歳になって結婚した。カリフォルニア州の法律では16歳で結婚が可能だった。ジムは言う。
「16歳のノーマ・ジーンは僕にとって幼すぎた。でも、彼女を独りぼっちにするのは、かわいそうだった。結婚すれば、僕の母親と一緒に暮らせるし、彼女といると僕も楽しかった。だから、結局結婚した。彼女も同意してくれたしね」
まだ、右も左もわからない16歳と21歳の若いカップルの誕生だった。
「セックス抜きで、ジムと結婚してもいい?」16歳、初めての結婚生活への不安
ノーマ・ジーンは結婚を機に高校を中退し、クラスメイトを驚かせた。彼女とジムの結婚式は、グレースの友人、チェスター・ハウエル夫妻の家で行われた。二人は、無教会派の牧師ベンジャミン・リンゲンフェルダーの前で結婚の誓いを交わした。
ハウエル夫妻の玄関の前は螺旋階段になっていた。ノーマ・ジーンは映画みたいに思えて嬉しかった。嬉しさと緊張で足が震える。彼女はしっかりとジムの腕を握って、片時も放そうとしない。やっと手に入れた愛情ある生活を手放したくなかった。
ジムは式の前に兄に飲まされたウイスキーでぐったりしていた。式が終わるとささやかな披露宴が開かれた。ジムは、披露パーティーに呼ばれたショーガールに引っ張り出され、無様なダンスを踊った。ノーマ・ジーンは、嫉妬して少しむっとした。
二人の新婚生活はロサンゼルスのシャーマン・オークスに借りたワンルーム・マンションで始まった。16歳のノーマ・ジーンは必死に主婦業をこなそうと努めた。結婚する前、彼女はグレースに聞いている。
「セックス抜きで、ジムと結婚してもいい?」
グレースは答えた。
「心配しなさんな、すぐに覚えるから」
セックスに関しては、アナおばさんにも聞いたことがある。すると、アナおばさんは『結婚について若い女性が知っておくべきこと』というマニュアル本を渡した。しかし、そこにはセックスのことは載っておらず、料理や掃除、アイロンがけの仕方が載っているだけだった。
セックスに限らず、ノーマ・ジーンは結婚がうまくいくか心配だった。母親もグレースも、他の大人の女性たちも、知っている人はみんな結婚に失敗していた。彼女は料理もうまくなかったし、家事も満足にできなかった。
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