百寿者は「開放性」が高い
110歳(調査時。以下同)の女性は「いま、いろいろなことを心配していますか」という問いに、
「昔は心配したが、もう心配してもどうしようもないので心配しないようにしている」
と答えています。楽しい記憶ばかりが残り、心配事がなくなる――いま老年期の入口に立っている方も、ゆくゆくはこういう境地に達したいものだ、そうすれば死ぬまで楽しいのではないか、と共感されると思います。
健康長寿を保っている人には、どんな性格が多いのか。
その人がどういう人か、ということを調べる方法として、「Neo-FFI」という手法があるのですが、百寿者に対してこれを行った研究があります。
これは170人の百寿者に対し、東京都健康長寿医療センター・増井幸恵氏らが行ったもの。「Neo-FFI」では、自分の性格をどう捉えているか、といったことに関する60の質問に対し、「非常にそうだ」から「まったくそうでない」までの5段階で回答してもらう。
「Neo-FFI」は、性格を五つの項目に分けて評価します。
*神経症……不安の強さ、細かいことに気がつく
*外向性……社交的、活動的、派手好き
*開放性……創造的。好奇心旺盛
*調和性……思いやりがある。周りに合わせる。依存心が強い
*誠実性……意志が強い、几帳面、頑固
調査の結果、百寿者は「開放性」が男女ともに高く、女性は特に「外向性」「誠実性」が高い、という傾向が現れました。
長寿者に開放性が高い人が多い、というのは日本人に特有のようですが、開放性が高い人は、好奇心が旺盛で、新しいことを受け入れやすい。
私が調査した中で、北海道の紋別に住む110歳の男性がいました。この方は107歳のときにいきなりテレビゲームにはまったそうです。107歳でもテレビゲームに興味を持てるという好奇心はすごいこと。ただ、ひ孫さんと対戦プレイをして負けたら怒っちゃって、その後二度とやらなくなってしまったそうですが……。
※本記事の全文(約5500字)は、月刊文藝春秋7月号と、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(保阪正康「百寿者が教える『年は取れば取るほど幸せになる』」)。 全文では、下記の内容をお読みいただけます。
・「誰かが気にかけてくれている」ことの大切さ
・「外向性」と「誠実性」
・体調に神経質なのはどうか?
