──アメリカでフランス系の私立高校に通われたそうですが、当時からヨーロッパ映画にも興味を持っていらっしゃったのですか。
それは母のおかげです。もともと母がヨーロッパ映画を大好きで、わたしが子供の頃からよく映画館に連れて行ってくれたのです。リセに行ったのも彼女の影響です。母にとって映画は世界を知る窓、それも実際にリスクはなく、安価に世界を旅することができる手段だった。ですから必然的にわたしにとっても、とても重要なものになったのです。
──本作の役柄は精神分析医ですが、あなた自身はジークムント・フロイトの精神分析や催眠術についてはどのような考えをお持ちですか。
女性蔑視として知られるフロイトは、いまの時代にはキャンセル・カルチャーの対象だと思いますが、大学のときにわたしはフロイトやジャック・ラカンについて学んでいました。というのも文学や映画において、フロイト的な見方は大きな影響を与えているからです。フロイトはキャリアの初期に催眠術を用いていました。催眠術というのは精神分析の一部でもあるのです。レベッカの映画で面白いのは、催眠術師と精神分析医のライバル意識がある点です。
じつはわたし自身も、たばこをやめるために催眠術療法を受けたことがあります。受ける前は信じていなかったし、受けたときもとくに何かを感じたわけではありませんでした。でもそれ以来ぱったり吸わなくなったのです。とにかく、わたしには効果がありました(笑)。
ジョディ・フォスター 1962年、アメリカ生まれ。『告発の行方』(88年)、『羊たちの沈黙』(91年)でアカデミー賞主演女優賞受賞。『トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー シーズン4』(24年)でおよそ50年ぶりにテレビ業界に復帰、第82回ゴールデングローブ賞主演女優賞を獲得している。
INTRODUCTION
『美しき棘』(10年)『プラネタリウム』(16年)など、女性の心理や欲望、揺れるアイデンティティと、死と喪失をめぐる考察を映し出してきたレベッカ・ズロトヴスキ監督の最新作。ハリウッドを代表するジョディ・フォスターが、全編流暢なフランス語で、シリアスとコミカルを見事に使い分けた演技を披露している。フランスの名優ダニエル・オートゥイユ、才人マチュー・アマルリックほか、フランス映画界を代表する実力派俳優たちも集結。
STORY
パリで精神分析医として成功を収めているアメリカ人医師のリリアン(ジョディ・フォスター)は、長年診てきた患者ポーラの突然死の知らせに違和感を覚え、殺人ではないかと疑い始める。一方、ポーラの死をきっかけにリリアンは、状況に関係なく突然涙があふれ出る異変に悩まされ、眼科医の元夫ガブリエル(ダニエル・オートゥイユ)の元を久しぶりに訪ねる。元夫に事件の捜査を手伝ってもらうことになったリリアンは、益々大胆に探偵まがいの捜査に乗り出し、やがて危険な真実へと足を踏み込んでいく──。
STAFF & CAST
原題:Vie privée/監督:レベッカ・ズロトヴスキ/脚本:アンヌ・ベレスト、レベッカ・ズロトヴスキ、ガエル・マーセ/出演:ジョディ・フォスター、ダニエル・オートゥイユ、ヴィルジニー・エフィラ、マチュー・アマルリック、ヴァンサン・ラコスト、ルアナ・バイラミ、ノーム・モルゲンステルン/2025年/フランス/107分/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム/© LES FILMS VELVET -BUENOS HAIR -FRANCE 3 CINEMA/7月24日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開。

