誰でもふらっと立ち寄ることのできる憩いの場として
――「シェア実家」の施設ではどんなことが行われていますか。
豊崎 基本的には誰でもふらっと立ち寄ることのできる憩いの場として毎日開放しています。お子さんと一緒に来てシェア実家のおもちゃで遊んだり、持参したお昼ご飯を食べたりする方もいらっしゃいます。また、生後6ヶ月からのお子さんを対象に、預かり保育事業をしています。
そして、毎月さまざまなワークショップを開催している他、毎週水曜日の15時からは小学校低学年に向けた学習支援も行っています。そこでは大学生ボランティアにサポートしてもらいながら宿題をしたり、勉強を教え合ったり。シール交換や恋バナ、ゲームの話題など、親でも先生でもない大人とコミュニケーションができる場にもなっています。
――学童保育や児童館のような役割も果たしているんですね。印象的な出来事や経験はありましたか?
豊崎 パートナーの夫と同じ職場で働きながら、3人の育児をするお母さんから「仕事を辞めたい」と相談を受けたことがあります。夫はどんどん役職も上がっていく一方で、その方は3回も産休・育休をとっているからブランクができてしまい悩んでいました。
私は話を聞くことしかできませんでしたが、「シェア実家」の預かり保育を利用しながら就職活動を開始され、自分らしく働ける職場に就職し、お子さんの保育園も決まってシェア実家をある意味で「卒業」されました。そうしたマインドの変化や、頑張っている姿を間近で見せてもらえたのがすごく嬉しくて、やっていてよかったなと思いました。
――それは今後の活力になるエピソードですね。起業から1年、今後の見通しはいかがですか。
豊崎 ビジネスとしては、まだ確立していないのが現状です。非営利型の一般社団法人なので、保育士さんにはお給料をお支払いしていますが、まだまだボランティアさんが不可欠です。
しっかり家賃と人件費を生み出せる、持続可能な組織にしていくつもりです。起業した後は、どれだけ人を巻き込めるかが勝負だと言われたことを今つくづく実感しています。
――先ほど「理想の保育園」を作るには「政治家になるしかない」と言われたと仰っていましたが、政治家への道もお考えですか。もしくはすでに声をかけられているとか。
豊崎 その道は考えたことがありませんし、私にその能力があるとも思えません。自分の両手が届く範囲でできることをやっていきたいです。

