国民の間で賛否が大きく分かれる中、成立した改正皇室典範。高市首相が固執し続けたのが、男系男子での皇位継承だ。なぜ男系でなければいけないのか。首相や最側近らがその根拠にしてきたのは、“トンデモ理論”だった。

「いろいろ外で発表されている論文ですけれども、男親から男の子供、つまり男系男子に限って正確に受け継がれてきた初代天皇のY染色体というものはそこで途絶をしている、こういう状況になるんですね」

 2006年1月27日の衆院予算委員会。皇位継承を巡り、安倍晋三官房長官(当時)にそう舌鋒鋭く迫った女性議員がいた。

 女性天皇の子が天皇に即位した場合、つまり女系天皇が誕生した場合の問題点について、「Y染色体が途絶える」という理論を持ち出した人物――05年の郵政選挙で国政復帰を果たし、政界で地歩を固めつつあった高市早苗衆院議員だ。

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 それから20年後。彼女は女性初の宰相として、1947年の施行後、初の本格的な皇室典範の改正を実現させたのだった。

©時事通信社

「VIVANTが楽しみ」

 7月14日夜、東京・六本木に佇む路地裏の焼き鳥店。皇室典範改正の国会審議が佳境を迎える中、高市首相が姿を現した。

 宴席を囲んだのは、尾﨑正直官房副長官や黄川田仁志沖縄・北方担当相、山田宏参院議員ら総裁選を支えた「高志会」の面々。首相は「寝不足やけど、明日の党首討論は頑張るわ」と意気込みを示し、「(TBSドラマの)VIVANTが楽しみ」などと盛り上がる場面もあったという。

「会食嫌いの高市首相ですが、公邸に党幹部を招くことはあっても、わざわざ街中の飲食店に出向くことは珍しい。それだけ、高志会メンバーとの宴席を重要視したのでしょう。彼らに共通するのは、首相と同じ強硬な男系男子論者であるということ。皇室典範改正を筆頭とする重要法案の成立に向け、一致結束した形です」(政治部デスク)

 そして3日後の7月17日、(1)女性皇族が婚姻後も身分を保持する、(2)旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える――の2案を軸にした改正皇室典範が成立した。養子の子が男子だった場合、皇位継承資格があると明示。つまり、男系男子での皇位継承を全面的に打ち出す内容としたのだ。

改正皇室典範は7月17日に成立 ©時事通信社

 なぜ、高市首相は男系男子に固執したのか。首相は以前から、「初代神武天皇から繋がる血統、男系男子という万世一系の皇統を守り続けてきたことが、天皇陛下の権威と正統性の源だ」などと主張してきた。

「その科学的な根拠が、男性だけが持つY染色体だというのです。人間の性染色体は女性が『XX』、男性が『XY』。対で存在する『XX』は両親から受け継ぐ際に遺伝子の組み換えが起こり、情報が混ざり合います。ところが、Y染色体は父から息子へそのまま単独で受け継がれ、変異の可能性も皆無に近い。それゆえ、首相は国会の場でY染色体の存在を強調していたのです」(自民党関係者)

《この続きでは、専門家が指摘するY染色体論の“トンデモぶり”、Y染色体論を主張された皇族のご発言、過去に安倍晋三首相(当時)が出していたY染色体に関する“極秘指示”、科学誌「Newton」に否定された高市首相最側近の投稿などについて詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および7月23日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》

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