雪山を進んでいくと…
冬季にはクマは冬眠中でブヨもいない。沼の湯温も適温に下がる。
ただし、天候は吹雪や降雪の日がほとんどだ。山の天候は変わりやすいので、数日前から晴れ予報が確証されたタイミングで、直前に天気を細かく確認して行動を起こさなければならない。
積雪期のアクセスは、ニセコ連山を南北に縦断するニセコパノラマラインの、湯本温泉の1kmほど先の冬季通行止めゲートが起点となる。世界有数の豪雪地域であるニセコの積雪は数m以上になることもある。そのため、除雪された道路の先は高さ数mの雪壁だ。
やっとの思いで除雪していない道路の雪上までたどりつくと、その先はスノーシューでの歩行を満喫できる快適な雪上ハイキングとなる。山スキーヤーが通ったトレースもあってしばらくは歩きやすい。
前方にそびえる真っ白なチセヌプリを見ながら、パノラマラインと称される景色の中をスノーシューで歩くのはとても気持ちがいいものだ。
1km余り進むと、パノラマラインは右へ大きくカーブしている。そのカーブに入って数十mの付近から道路を外れ、左の林の中へ入っていく。疎らな林は樹皮が美しいシラカバが多く、地上数mの雪面では林の中を空中散歩をしているような気分すら味わえる。
20~30mほどの標高差を登ると尾根に出て、その先を少し下る。すると、雪原にぽっかりと空いた大きな穴が見えた。さらに進むと真っ白な雪原と、湯けむりをあげる紺碧の水面のコントラストが絵画のように美しい小湯沼が眼下に現れた。


