オーパス・ワンが5本も

「テーブルには大量の牛肉と、店からのプレゼントと思われる高級ワインのオーパス・ワンが5本も並んでいた。大谷選手も珍しく、自分から進んでワインやビールを呷っていたのです」

 日ハム時代から徹底的に節制した生活を送っていた大谷。先輩に飲みに行こうと誘われても、よく断っていたのは有名な話だ。

「前回大会でも他の選手からキャバクラに誘われたものの、きっぱりと断って帰宅していた。決起集会でも勧められたら飲む程度だったので、今回は飲んでいたのが『珍しい』と選手間で話題になっていた」(同前)

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 大谷は、塩だけで味付けしたパスタやバンズ抜きハンバーガーなど、体づくりのために、ストイックな食事管理を続けていることで知られる。だが、今大会中はこんな場面もあった。

「ベンチ裏ではレッドブルをがぶ飲みしていました。マイアミに出発する日にはウーバーイーツでハンバーガーとホットドッグを注文。頬張りながら『日本のウーバーレベル高い! 美味すぎ』と感動していた」(同前)

 あまりに意外過ぎたため、「そんな物食べるんだ」と突っ込まれた大谷は、こう返したという。

「数年先を見据えてのトレーニングは終わったんです。その日、最高のコンディションに整えて、最高のパフォーマンスを出すことに、切り替えました」

 その言葉の意図するところは何なのか。前出の代表関係者が解説する。

「大谷も今年で32歳になります。現役生活の終わりが近づいてきて、今を楽しもうという気持ちに変化しているのではないか」

強化試合の途中で配置転換

 オリックスや阪神との強化試合では無安打だった大谷だが、台湾との初戦を迎えると、満塁本塁打を含む5打点の大活躍。連覇への道を順調に進んでいるかのように見えたが、その裏で、チーム内での不協和音は広がっていた。理由の1つが、井端監督だ。冒頭の代表選手が明かす。

「プロ野球のチームでの監督経験がないからか、管理したがるタイプ。選手個々の能力は高いのだから、コンディションを整えて、最高のパフォーマンスを引き出すのが役目なのに、全体練習を多くしたり、絶対使わないようなサインプレーの練習をさせるのです

 さらにこんな不満の声も。

「遠慮しているのか、コミュ力が足りないのか、会話が続かない。いつも緊張しているようで、笑顔も少ない。選手たちは最後まで、監督が何を考えているのか測りかねていた」(同前)

吉見一起投手コーチ ©時事通信社

 鉄仮面のような指揮官を見て、大谷もついこう言ったという。

「マジで笑わなくね?」

 支えるコーチ陣にも綻びがあった。宮崎合宿でのこと。ブルペンで投手が投げているにもかかわらず、吉見一起投手コーチも、能見篤史投手コーチもいなかったことがあったのだ。

「日本代表に入るまで、吉見さんはプロのコーチ経験がなく、能見さんは選手兼任コーチが2年間だけ。2人とも経験が浅く、球種ごとの回転数など数値を見ても選手に具体的な説明ができないと囁かれていた。強化試合の途中から、ベンチの吉見さんと、ブルペンの能見さんが配置転換になる事態も起こった」(前出・記者)

後編に続く)

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