「もういいわ。やめましょう!」

 種市は9回から登板予定だったが、急遽7回から行くことになったという。

「結果がすべてではありますが、十分な準備ができない中で戦犯扱いされ、誹謗中傷に晒される選手が不憫です。球場からホテルに帰るバスの中で種市は『マジで許せない』とコーチ陣に怒り心頭でした」(同前)

種市篤暉 ©時事通信社

 試合直後には、こんな一幕もあった。

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「負けた瞬間、吉見コーチが選手に向かって『シーズン頑張ってね』と言い放ったのです。怪我でシーズンを棒に振るかもしれないリスクを背負って戦ったのにと、その能天気ぶりに選手は呆れていた」(同前)

 冒頭のロッカールームの場面に戻ろう。井端監督は自分のスピーチが終わると、金子誠ヘッドコーチに話を振ったという。

「すると金子コーチは『これがいまの実力。世界との差があった』と選手に非があるような言い方をしたのです。監督がさらに別のコーチに話を振ろうとしたところで選手の不満が爆発。『もういいわ。やめましょう!』と打ち切りの声が上がった。能見コーチも『締めましょう』と言い、険悪な空気のまま、チームは解散となったのです」(同前)

 これが、ドキュメンタリーでは映っていない、侍ジャパンの“内紛劇”の内幕だ。では、コーチ陣の言い分はどうか。まずは能見コーチを直撃した。

――中継ぎが打たれて逆転されてしまった。

「向こうで3日しか(調整期間が)ないということもありましたし、体調不良者も出た。選手はよくやってくれたんですが、僕らがしっかり把握しておかなければいけないというか、未熟な部分もあった」

――第2先発が菊池から隅田に変わることを、隅田には事前に伝えていた?

「言わなかったです。言ったところでちゃんとできるかはまた別ですし、どの場面で投げるかわからない。状態などを加味し、菊池より隅田という判断だった」

「皆をつぎ込む形でいきたい」

――投手陣から不満が出ていると聞いた。

「不満は出るでしょう。短期間(の練習)で勝つため、自分のチームでの立ち位置とは違うことやるわけですから。でも最初からその気持ちで入ってもらわないと、チームが回らない。自分のプライドでどうこう言っているんだったら、出ない方がいい」