タワマンを約30室持つコレクターがいるが、彼の座右の銘は、「悲観は友、陶酔は敵」。人々が絶望し、悲観している時こそが買い時だと教えている。

 今だってよく見れば、安い物件、安い地域、安いタイミングはある。例えばこういう投資家がいる。

 戸建ての建売業者が抱える売れ残り物件ばかりを買う人だ。売れ残り物件は「在庫」として決算前に叩き売られることがある。そのタイミングを狙って買うのだ。戸建て住宅は、賃貸住宅業界では希少性が高く、家賃も高くとれる。大型犬を飼っている人やどうしても1戸建てに住みたい人、家で仕事をする人が借り手候補だ。仮に3000万円程で買えて月々の家賃が25万円もとれたら上出来。そんな物件をいくつも持っていくのだ。

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 冒頭で紹介したLINEグループの1人が、今、ベトナム・フーコック島に家族旅行をしている。彼から送られてくる現地の写真を見て驚いた。

「APECをやる予定であっちこっちの原野が開発されています。空港のまわりではものすごい数のクレーンが動いてますよ」

 27年にフーコック島では、APEC首脳会議が計画されている。フーコック空港は国際空港として拡張され、VIPターミナルも建設される。そうなれば土地高騰の成金が生まれ、そのマネーは世界中で行き先を探し始めるだろう。

ベトナムの島にもチャンスが?

視点を変えればチャンスは無限

 不動産投資である程度成功すると、時間的な自由を手に入れられるのが最大の武器だ。そのため私の周りの投資家たちはよく旅行し、現地でしか得られない情報を持ち帰る。そして海外から見た日本の価値や投資妙味、グローバルな金の流れを実感して帰ってくる。

「安い時」とは、誰からの目線なのか、どの時期からの比較なのか、で変わる。「高い、高い」と言われる東京の不動産も、世界から見たら、あるいは未来から見たら、実は激安なのかもしれない。

(5)親からもらえ

「親から相続したくないものランキング」調査(株式会社AlbaLink)の1位は不動産で、約54%が「相続したくない」と回答している。実際に取材をしていても、世代交代のタイミングで、不動産を手放すという事例は「あるある」だ。子供から「現金で欲しい」と言われたから売るという親も多い。これはもったいなさすぎる。

 まず、これだけ建築費や資材が上がって、戦争の影響でユニットバスが調達できないような状況下において、すでに不動産を所有していることがいかに恵まれているかを認識すべきだ。

 広島でアパートを20棟建ててきた元農家の高齢男性はこう言った。

「将来、孫に全て相続しようと思って頑張ってきました。20歳の誕生日に伝えると『つーか、いらねえし』と言われました。東京で生まれ育った孫からしたら縁のない田舎で不動産を持つのはリスクなんでしょうな」

 それなら私にくれ、と言いたい。

ジャーナリスト・吉松こころ氏

 仮に現金でもらったとしても、今の1000万円が来年も同じ価値である保証はどこにもない。毎月継続的に家賃が入ってくる安心感は、株式投資を圧倒する。もちろん、リフォーム代や修繕費用がかさんだり、入居者からクレームを受けてしまったりすることもある。「給湯器が壊れて風呂に入れないじゃないかあ」と呼び出されることは日常茶飯事だ。

 所有する部屋数が増えれば、ボヤ、騒音、隣人トラブル、孤独死、なんてことも起こり得る。私の周囲の投資家で、フェラーリを乗り回し、ロレックスを何十個も持っている人でも日常的にこうしたことに対応している。しかし、金や株式投資と違い自分でコントロールでき、「小さな事業」として成り立つ。今のようなインフレの時代には、借金を目減りさせながら、不動産の時価は上がるというメリットも受けられる。

 不動産投資は視点を変えればチャンスはいくらでもあるのだ。

(よしまつこころ/大学卒業後、業界紙「週刊全国賃貸住宅新聞」に入社し、全国の賃貸管理会社などを取材。取締役を最後に退職し、2015年、不動産業界向け通信社「Hello News」を設立。)

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