数千万年も前に生きた恐竜ばかりでなく、現代の生物にも新たな分類が提案されるケースはある。たとえばキリンは今まで単一種と思われていたが、これを4種に分類すべきだという議論がある。彼らは見た目にはほとんど同じだが、遺伝子的には大きな差があり、野生では互いに交雑することがほとんどない。現代の種の定義は、「同地域に分布する生物集団が自然条件下で交配し、子孫を残すならば同一の種とみなす」というものだから、これは別種と見る他ない。ただでさえ絶滅危惧種であるキリンが4種に分かれるとなると、保全政策にも大きな影響は必至だ。

 他にもアフリカゾウやアホウドリなどに、一見しただけではわからない複数の種の存在が指摘されている。こうした例は隠蔽種と呼ばれ、今後その例はさらに増えてゆくと見られる。「別の種なら外見も異なるはず」というのは、どうやら我々の単なる思い込みでしかないようだ。

 さて、人類に隠蔽種が現れる可能性はあるのだろうか。同地域に分布しながら自然条件の下では交わることのない「人種」なら、あるいはすでに発生しつつあるのではないか。

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(追記)2025年、国際自然保護連合はキリンという種を、キタキリン、アミメキリン、マサイキリン、ミナミキリンの4種に分けると発表した。アフリカゾウも、サバンナゾウとマルミミゾウの2種に分けるべきとする説が有力になっている。