日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。

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ニコンにレイバンの触手

 金属3Dプリンター事業で大幅な減損処理を余儀なくされ、2026年3月期に過去最大となる860億円の最終赤字を計上したニコン(大村泰弘社長)。事実上の引責でトップが交代し、4月に半導体装置部門出身の大村氏が専務から昇格したばかりだ。

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ニコン社長の大村泰弘氏 ©時事通信社

 大幅減損の原因は、22年に買収した独SLMソリューションズ・グループ。大型部品を高速製造する同社の技術に、半導体露光装置事業で築いた技術を応用したニコンの成形方式を掛け合わせることで、3Dプリンター事業の強化を目指した。だが問題だったのは、約840億円という買収額だ。

 通常の買収では、直近の株価に30〜40%程度のプレミアムを上乗せした価格でディールされる。しかしSLM買収に上乗せされたプレミアムは84%。「さすがに高値掴み」と市場関係者は驚愕した。その後、SLMの収益は思い描いていたほど上がらず、買収価格は重荷となった。買収からわずか4年で、買収額を60億円以上も上回る906億円の巨額減損の計上を余儀なくされたのだ。

 光学設計の第一人者と称される大村新社長は、半導体事業に投資を重点配分する考えを示している。半導体露光装置はAI普及に伴うデータセンター向け需要の拡大が見込まれるためだ。一方、連結売上高の約4割を占める主力のカメラ事業は動画分野に注力するという。また、焦点となる金属3Dプリンター事業については、用途を「航空、宇宙、防衛分野」に集中させ、「27年度までに黒字化させたい」としている。

 だが、そう悠長に構えてはいられない。合弁関係にある仏眼鏡大手、エシロール・ルックスオティカがニコン株を急激に買い増しており、保有比率が20%に近づいているのだ。

 エシロールは「レイバン」で知られる国際的なブランドで、ニコン株の大量保有は買収の布石との見方も浮上している。

※この続きでは、エシロールによる「ニコン株の大量保有」が安全保障にもたらすリスクに振れています。約5800字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年9月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。

出典元

文藝春秋

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