天ぷらのつくり方はまったく違う

カウンターに座ると目の前でてんぷらの揚げ手の方が大鍋でてんぷらを揚げてくれる様子が見えます。揚げたてのてんぷらを従業員さんが都度だしで配膳してくれる。その一連の過程で人財がお店をつくりあげていることが実感できるのです。

食べに行けばお店が人気な理由はわかるのですが、今回の話題は「なぜてんぷらの作り方が丸亀製麺と違うの?」という話です。

普通に考えると丸亀製麺があれだけ国民の支持を受けているわけですから、同じてんぷらを天ぷら定食として提供しても人気が出そうなものです。しかし天ぷら定食まきのではレシピを変えています。

ADVERTISEMENT

具体的には丸亀製麺で使用する油は透明度の高いサラッとした油ですが、天ぷら定食まきのでは、素材の風味が残った黄金色の白絞油を使っています。

違いは「衣の厚さ」にもあるようです。天ぷら定食まきのでは揚げ手が揚げる前に粉をはらって薄めの衣でからりと揚げています。一方、これは筆者が実際に食べ比べて感じたところですが、丸亀製麺の衣は厚めです。

これはチェーン展開としてはやや不合理に見えます。

年間売上1372億円の丸亀製麺が社内に存在するのですから、同じ油を仕入れたほうが仕入れコストは格段に下がります。なのになぜ白絞油なのでしょうか?

「なぜ白絞油?」返ってきた“シンプルな答え”

かえってきた答えは、

「白絞油のほうがてんぷらの素材の味がひきたつから」

でした。

ちなみに関東の読者の方は、

「なぜごま油じゃないの?」

と疑問をもつかもしれません。

江戸前のてんぷらは伝統的にごま油で揚げるのが伝統です。浅草にたくさんある老舗にてんぷらを食べに行くと、ごま油のあの香ばしい香りが店内に漂っています。

グルメの方は異論があるかもしれませんが、私は江戸前の天ぷらがごま油を使ってきた最大の理由は、江戸時代の魚介類は臭みがあったからだと考えます。ごま油で揚げて濃いめのつゆをかけて天丼にすると一番おいしく食べられる。昭和の時代まではそういう側面があったのは間違いないでしょう。