令和7(2025)年、東京地方の梅雨明けは6月28日頃だった。7月には猛暑猛暑猛暑。一方、令和8(2026)年6月はオホーツク海高気圧が頑張って、平年より低い気温で推移したという。過ごしやすい6月だったのだが、7月に入ると南方はるか太平洋上を西走する台風9号が呼び水となって、太平洋高気圧が一気に勢力を西に拡大。蒸し暑い日々がついに到来してしまったようだ。
一般に盛夏になると、立ち食いそば屋の売り上げは低迷する。特に茹で麺使用の店は暑さの影響が大きいとか。そうなると、涼し気なメニューを考案して客を呼び戻そうと各店も必死になるわけである。
今年の夏も、紳士淑女は冷たい麺を目指すわけである。そこで、今年、東京近郊で出会った「涼を求める変わり種メニュー」を紹介しようと思う。
◆◆◆
7月に超本格的な「冷やし中華」を始めた「豊はる」/神田小川町
神田小川町の「豊はる」は肉に特化した立ち食いそば屋として広く認知されている。
豚ばら軟骨を使った「パイカそば」やチャーシューがどんぶり一面をおおって登場する「チャーシューそば」、牛ばら肉をたくさん使った「牛ばらそば」などが大人気。店主の西村歩大将が肉料理に携わっていたことから、毎月のように牛肉や豚肉などを使った新メニューが登場している。
7月になりふらっと訪問したところ、店頭に「瑞穂のいも豚を使用した冷やし中華」(1100円)のメニューを発見。「瑞穂のいも豚」は茨城県の銘柄豚。さつま芋やハーブの飼料で育てた豚で、ビタミンEが一般豚より2倍以上豊富で、保水性が良く、新鮮さが長持ちするという。
立ち食いそば屋で「冷やし中華」を提供する店は少ない。蒲田の「信濃路」でみかけたくらいだ。さっそく注文してみたのだが、「麺を茹でますので3分お待ちください」と言われて登場したどんぶりをみるとすごく本格的で驚いた。
まず瑞穂のいも豚のばら肉をどさっとのせている。
私はチャーシューが乗るのだろうと先入観で勘違いしていた。そして錦糸卵にする前の薄焼き卵が数枚のる。きゅうり、瑞々しいわかめ、中央に紅生姜、白ごまが振られ、そして、きれいに塗られたからしが添えられている。
ちらっとみえる麺を引っ張り出すと、中太の生らーめんが現われた。まず麺をひとくち。おお、これはすごいコシで本格的だ。
そして、つけだれはなんとごまだれ。酸っぱい醤油だれを想像していたのだが、これもまた勘違いである。このごまだれは酸味が少なく、返しと合わせているのだろう。ほんのり鰹節の粉の香りがする。薄焼き卵もいいアイデアである。わかめときゅうりと一緒に麺を食べるとこれはもうたまらない。
7月のおすすめメニューだが、この夏いっぱいは継続してほしいくらいだ。




