そもそもICT機器の導入は、文部科学省が推奨する「GIGAスクール構想」という大きな枠組みの一環です。GIGAスクール構想が始まる発端となったのが、世界各国・地域の15歳を対象としたPISA(国際学習到達度調査)の2018年調査でした(結果の発表は2019年)。

PISAは3年ごとに行われている調査で、義務教育終了段階までに学んだ知識や技能を、実生活でどの程度活用できるかを測るものです。

1人1台のタブレットが校内盗撮の道具に

PISAの2018年調査では、日本の読解力は全参加国79か国中15位と、過去最低を記録。教育業界に大きな衝撃が走りました(数学的リテラシーは6位、科学的リテラシーは5位)。

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当時、子どもたちはデジタル画面で長い文章を読み解くのに不慣れだったことが、一因とされています。これを受けて、文科省が打ち出したのがGIGAスクール構想です。これにより、学校現場では1人1台のタブレット端末導入が一気に進み、2022年の同調査では読解力は世界3位とV字回復を遂げたのです(※3)

※3 「日本の15歳の読解力回復、世界3位に 情報探す力伸びる」日本経済新聞2023年12月5日

しかし、タブレット端末が導入された結果、今度は皮肉にも、校内盗撮という新たなリスクが浮上してしまった……というわけです。子ども同士による盗撮を防ぐには、リスクをおそれてICT機器を遠ざけることではありません。大切なのは、タブレットやスマホなどICT機器の使い方を、大人が丁寧に教えていくことに他なりません。

では、スマホをはじめとするICT機器の使い方を、どのように子どもたちに伝えていけばよいでしょうか。近年は、子どもにスマホを買い与える前に、使い方のルールを決める保護者も多いでしょう。

スマホルールと同時に伝えたい大切な権利

「夜9時以降はスマホを使わない」といった利用時間のルールから、「寝室には持ち込まない」といった利用場所のルール、「知らない人とはDMのやり取りをしない」「勝手に課金をしない」といったインターネット上のルールまで、実にさまざまです。