盗撮やデジタル性暴力から子どもを守るためには、「人物や店舗、施設などを許可なく撮影しない」「公衆浴場や更衣室ではスマホを出さない」「親に抜き打ちで『見せて』と言われたときは必ず見せる」「自分や友達、家族とわかる内容や写真・動画などを投稿しない」「利用時間や利用場所を決める」といったルールを親子で確認しておきたいものです。
このようにルールをざっと記しただけでも、「○○してはダメ」と禁止したり、制限したりする項目がいかに多いか、おわかりになると思います。
ここでも大切なのは、ルールを子どもに押しつけることではなく、「自分自身の『からだをどうするか』は、自分で決めていいんだよ」という「からだの権利」もセットで伝えることです。
一度受けた被害の恐怖は消えない
私たち、一人ひとりには目に見えない「境界線(バウンダリー)」があります。「ここから先は入ってほしくない」というバウンダリーは、実際の身体だけでなく、写真や動画として切り取られるときにも存在します。他者に許可なくカメラを向ける行為は、「相手の境界線に土足で踏み込むこと」と伝えると、わかりやすいでしょう。
また、「相手が黙っているから」「笑っているから」といって、無断で撮っていい理由にはなりません。「いいよ」というはっきりとした同意がない限り、それは加害になりえる可能性があるのだと伝えることが大切です。「からだの権利」を伝える過程で、盗撮被害の実態をわかりやすく伝えるのもよいでしょう。
盗撮の被害を受けた人は、「いつ、どこで、誰に撮られているかわからない」という恐怖のなかで生き続けること。学校も、通学路も、自分の部屋ですらも安心できなくなること。そして、一度でも盗撮された側は、「ネット上に拡散されているかもしれない」という不安を生涯、抱え続けること。
こういった被害の深刻さを、できるだけ具体的な言葉で子どもに伝えてあげるのも、盗撮被害の解像度を上げる一助となるはずです。