能登半島地震(2024年)、青森県東方沖地震(25年)、そして先日の「令和8年熊本地震」など、最近大きな地震が頻発している。それは一体なぜなのか。日本はなぜ地震大国で、そもそもなぜ地震は起きるのか。
本書はこれらの疑問にも答えてくれる地学の入門書。
だが地学と聞いて、すぐにピンとくる人はどれくらいいるだろう?
「地学(地球科学)とは、太陽系の成り立ち、地球の歴史や構造、地震、津波、火山のメカニズムなどを明らかにする自然科学の一分野です。かつ地震や噴火などの防災の知識も提供してくれる。自然災害の多い国に住む私たちにとって非常に有用性の高い学問ですが、わかりやすい解説書はこれまでほとんどなかった。そこで本書を企画しました」(担当編集者の田畑博文さん)
著者は火山学、地球科学、科学コミュニケーションを専門とし、かつて「京大人気No.1教授」と評された京大名誉教授。
本書は、著者が語りかけるような講義スタイルで進んでいく。プレートやマグマ、大規模噴火などについての「講義」がなされた後、南海トラフ巨大地震の話へ。著者によれば、南海トラフ巨大地震の発生は《2035年をピークにしてその前後の5年》、さらに南海トラフ巨大地震発生により富士山の噴火も予測されているという。そして「講義」は、そのようなこれからを私たちが生き延びるための話に移っていく。
「本書は46億年前の地球誕生の話から始まりますが、それと南海トラフ巨大地震は繋がっています。何事も、こうした根本から理解していくと、短期的な視点だけで物事を考えたり、目の前の事象に感情的に振り回されることが少なくなると思うんです。また企画当時、大災害を予言する漫画がヒットを続けており、予言ではなく科学に立脚した本を出したいという思いもありました」(田畑さん)
確かに本書を読めば、地震や火山の噴火は人間の命を脅かすものでありながら、私たちが暮らす地球のダイナミズムのひとつであることがわかる。闇雲に恐れるのではなく、冷静な防災、減災の行動を取ろうと思える。読者からも「責任ある大人として、家族や周囲の人たちを守るために、この知識をしっかり役立てていきたい」といった感想が多く届いているそうだ。
2025年2月発売。初版7000部。現在5刷4万5000部(電子含む)
