林 「本当によく頑張った、私ってやるじゃん」という感じかな。大変な時に投げ出さないでよかった。自画自賛と思われそうですが、監事4人の報告書が公開されており、いずれも高く評価してくれています。大学のHPに出ています。
有働 女性として初の理事長でもあり、就任会見の「マッチョな体質の古さを変えたい」という言葉が話題になりましたが、実際入ってみて「ヤバッ!」という感じでしたか。
林 「ヤバッ!」でした(笑)。職員に聞くと、「林理事長はこわいかも、何をされるのだろう」と皆ドキドキしていたと言うんです。私の方は、キャンパスを学生と一緒に歩く姿を想像していたのですが、日大本部はキャンパスとは別の場所にあって、学生は1人もいない。当時の私は「見かけるのはおじさんばかり」とよくこぼしていましたが、最初はすごくアウェーでしたね。
本質的なことは知らされなかった
有働 理事長はすべての決定権がある最高権力者ではないのですか?
林 トップの地位ですが、私は就任時に、理事長選考委員会の方々から「前理事長は教学にも口出ししていたけれど、絶対そうしないように」と釘を刺されていました。
有働 教学っていうのは?
林 学生に直接かかわるすべてのこと、たとえば学部の学問領域とか、競技スポーツとか。だからスポーツのことは途中まで本当に知らないことばかりだったんです。ある時から口出しせざるを得なくなりましたが、当初はちびちびとしか情報が入ってこないし、本質的なことは知らされていなかったように思います。
有働 「ある時」というのは、2023年にアメリカンフットボール部員が麻薬取締法違反の罪で起訴された事件の時のことでしょうか。
林 そうです。スポーツ管理担当の当時の副学長は元検事でした。副学長は学生の逮捕前、警察側から「大学の調査に委ねる」「犯罪事実が認められたら自首させてほしい」と独自ルートで言われたと私に報告していました。
※この続きでは、事件対応の内幕を林真理子さんが語っています。約8970字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年9月号に掲載されています(林真理子×有働由美子「“次期都知事”林真理子」)。
■林真理子(はやし・まりこ) 作家。1954年、山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒。日本大学理事長、日本文藝家協会理事長を歴任した。現在、直木賞選考委員などを務める
■有働由美子(うどう・ゆみこ) アナウンサー。鹿児島県生まれ、大阪府育ち。1991年にNHK入局。2018年に退職しフリーに。現在の出演番組は「有働Times」(テレビ朝日系)など
出典元
【文藝春秋 目次】芥川賞発表 受賞作全文掲載 小砂川チト「ゾンビ回収婦」/「高市総理よ、日本を壊すな」細川護熙/がん15部位 早期発見ガイド
2026年9月号
2026年8月10日 発売
1480円(税込)
