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安倍晋三 首相
「重要な拉致問題については、出発前に拉致被害者家族会の切実な思いについてお話をうかがい、皆さんのメッセージをトランプ氏に伝えた」

産経ニュース 9月24日

内外記者会見する安倍晋三首相(米ニューヨーク) ©時事通信社

 日米首脳会談の重要なテーマが北朝鮮問題だ。安倍首相は拉致被害者の早期帰国を求める被害者家族のメッセージをトランプ氏に伝え、トランプ氏は「日本の考え方については強く金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に伝えた」と応じた(毎日新聞Web版 9月24日)。安倍首相は「歴史的な米朝首脳会談によって、大きく北朝鮮情勢がかわりつつあることを称賛したい」とトランプ氏をたたえたが(朝日新聞デジタル 9月27日)、拉致問題の解決についてトランプ氏にまかせっきりのように見える。

安倍晋三 首相
「相互不信の殻を破り、金委員長と直接向き合う用意がある」

毎日新聞Web版 9月26日

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 安倍首相は25日午前(日本時間26日未明)、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談。文氏は北朝鮮の金正恩氏が「適切な時期に日本と対話し、関係改善を模索していく用意がある」と述べたことを安倍首相に伝えた。安倍首相は拉致問題の解決に向けて、「金委員長と直接向き合う用意がある」と表明したが、向き合う用意はこれまでなかったの?

©iStock

 日韓首脳会談に先立つ24日午後(日本時間25日未明)には米韓首脳会談が行われており、トランプ氏は米朝首脳による再会談を「そう遠くない将来」に開く意向を示した(日本経済新聞 9月25日)。米韓首脳会談では北朝鮮との融和の動きがさらに進んだようだ。

 一方、トランプ氏は日米首脳会談後、記者団に対して「日本は北朝鮮に対して経済的な協力、支援をすることを視野に入れている」と語っていた(ロイター 9月27日)。もちろん、経済支援は北朝鮮の非核化と拉致問題の解決が前提になるが、本当にトランプ氏がそこまで考えているかどうか。通商問題、安全保障問題と、どうにもトランプ氏に振り回されっぱなし……。