副首都法案をどう見る

 副首都法案に関する疑問のひとつは、大規模災害に備えての副首都の整備に関する法案がどうして与党提出で、政府提出でないのかということである。本来この法律に中心的に関わりそうな府省だけでも、内閣府、国土交通省、総務省があり、部分的に関わりそうな役所なら10以上になる。逆に言えばそれだけの府省が協力しなければ、基本法レベルの法律でも策定は困難である。

高市内閣の支持率は急落した Ⓒ時事通信社

 今回の法案は、維新が2023年に初めて提出した「副首都機能整備推進法案」を、自民党が加わって強化拡充したものである。デジタル行政基盤の整備などの追加修正を理由にチームみらいが賛成に転じたのを除いて、総ての野党が強く反対したこの中身のない大阪ありきの「スカスカの法案」そのものは無論問題だが、より問題なのは、メディアから漏れ聞こえてくる、野党が採決に応じなければ更に強硬策を採ればいいというような高市氏の強引な采配ぶりである。

 なぜそれが問題かと言えば、そうやって強引に成立させても、その結果国民は何が得られるのか、極めておぼつかないからである。私の内閣の政治改革では、最終的には自民党とのトップ会談で法案が成立したが、途中では自民党の余りの抵抗ぶりに、私もそれなりの強硬策を模索した。しかしそれは国民が厳しく批判する腐敗政治の温床で、自民党を含め30年間政治が実現を試みてきた選挙制度改革を是が非でも仕上げなければならないと思ったからだ。しかし高市氏の場合は、維新の恩義へのお返しでしかない。そういうことのためにも多数派の力は使えると考えるのが、高市政治の特徴なのだろう。

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「日本列島を、強く豊かに。」ポスター(自民党広報のXより)

 副首都法案は結局ぎりぎりで成立し、維新だけは大きなものを手にしたが、奔走させられた自民党執行部や参議院自民党執行部をはじめ、政権内は消耗が激しいようだ。国会は閉会になったが、与野党間の相互不信と対立は残った。

※本記事の全文(約9000字)は、月刊「文藝春秋」9月号と、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(細川護熙「緊急提言 皇室典範『だまし討ち』改正は許されない 高市総理よ、日本を壊すな」)。 全文では、下記の内容をお読みいただけます。
・天皇制が現代国家と共生するために
・目標が明確だった以前の自民党リーダー

文藝春秋

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〈緊急提言〉高市総理よ、日本を壊すな 

出典元

文藝春秋

【文藝春秋 目次】芥川賞発表 受賞作全文掲載 小砂川チト「ゾンビ回収婦」/「高市総理よ、日本を壊すな」細川護熙/がん15部位 早期発見ガイド

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