皇室典範改正を強行し、終戦の日の式典では「反省」を封印した高市首相。
そんな高市首相と天皇は1対1の内奏で…
6月29日夕刻、黒塗りの車列が皇居に押し寄せた。厳重な警護に囲まれ、トヨタの最高級車「センチュリー」から姿を現したのは高市早苗首相だ。
傍らにいる秘書官やSPと共に颯爽と闊歩していく中、宮殿内のとある一室を前に周囲の随行者は首相の元から一切捌けた。
「鳳凰の間」。高い格式を誇る部屋で高市首相をお出迎えになったのは、天皇ただお1人のみ。侍従長ら側近の立ち会いもない。首相は、直立される天皇とテーブル越しに向き合うと、着席するよう促されて腰を下ろした。
2人だけしかいない凜とした空間。高市首相が手元に持参した内奏書を読み上げると、天皇は静かに耳を傾けられるのだった。
「反省」とは無縁の戦争観
戦後81年を迎える8月15日の終戦の日に執り行われた「全国戦没者追悼式」。天皇はお言葉の中で、上皇が2015年から使われ続けた「深い反省」という表現を今年も踏襲し、再び戦争の惨禍が繰り返されないことを願われた。
他方、高市首相はどうだったか。式辞では石破茂前首相が昨夏、13年ぶりに盛り込んだ「反省」や「不戦の誓い」に触れることはなかった。それだけではない。敬愛する安倍晋三元首相が使った「歴史の教訓を胸に刻む」という表現にさえ言及しなかったのだ。
「高市首相の式辞の特徴として挙げられるのが、歴代首相が用いてきた『戦争の惨禍を二度と繰り返さない』という表現を、『二度と繰り返させない』へと、使役形に変更したことです。主体的に行った戦争の当事者意識や、自省を薄める表現と受け止められても仕方ないものだった。アジア諸国への加害責任にも触れず、『インド太平洋の輝く灯台として、頼りにされる国になれます』という独自のフレーズを繰り出しました」(政治部デスク)

