ハザードマップを過信するのは…
ただし、大災害とは想定を超えて起きるもの。
「ハザードマップはデータを積み重ね、少しずつ更新されていきます。一度見て終わりではなく、風水害が増えるシーズン前、ゴールデンウィーク明け頃に毎年チェックをしていただきたいところです」(同前)
その上でなお、(2)ハザードマップを過信してしまうのはアウトだ。
千葉豪雨被害の全容が見えてきた8月末、熊谷俊人知事は、定例会見で「浸水想定区域外での浸水、想定区域内でも想定を上回る浸水があった」と述べた。市街地では、下水道の排水が追いつかず、地上に水が溢れ出す「内水氾濫」が広範囲で発生。水没した車両は2800台を数えた。元消防士で防災スペシャリストの野村功次郎氏が語る。
「千葉豪雨の翌日に現地入りしましたが、海や川からも離れ、海抜22メートルの場所で自動車が水没したケースもありました。都市型水害の典型である内水氾濫は、どこから水が来るか分からないのが怖いところ。川の近くではなく、一定の標高があっても、地面に凹凸があれば、低い場所から水が溜まっていく。土地の高低差は、ネット上で国土地理院の地理院地図を開き、確認ができます」
降ってから逃げるのでは遅い
前出の高荷氏も、こう付け加える。
「地理院地図には『自分で作る色別標高図』という機能があり、50センチ単位で土地の高低を調べることが可能です。雨の日に自宅のある地域を散歩し、水の流れや溜まりやすい場所を実際に見ておくと、よりイメージしやすいはず」
豪雨や台風は、突然発生する地震と違い、気象情報などで事前にある程度の規模を予測できる。にもかかわらず、(3)災害が起きるまでアクションを起こさないのはNGだ。
元東京都職員で『水害列島』(文春新書)などの著書があるリバーフロント研究所審議役の土屋信行氏はこう警鐘を鳴らす。
「特に、ハザードマップ上で浸水の危険があるエリアに住んでいる人は、雨が降ってきてから逃げるのでは遅いんです」
《この続きでは、豪雨災害時の避難の鉄則、車移動時に絶対に避けるべきこと、浸水時の徒歩移動で傘を使ってはいけない理由、豪雨時に防災グッズとして使える必須の持ち物などを専門家の解説とともに詳報している。記事の全文は、現在配信中の「週刊文春 電子版」および9月3日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる》

