改造車での暴走や警察を阻止する過激な行為、県議会での「中止」論議――。派手な羽織袴や酒の掛け合いで毎年メディアを騒がせる沖縄の「荒れる成人式」。なぜ多くの批判を集めながらも、なくならないのか?

 沖縄生まれ・沖縄育ちの作家・神里純平氏の新刊『あなたの知らない 怖い沖縄』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目)

写真はイメージ ©getty

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沖縄の暴走族と荒れる成人式

 改正道路交通法の施行後、全国的に暴走族の数は激減した。たびたび「警察24時」などのテレビ番組で話題に上がる沖縄県も、例外ではない。

 それでもクリスマスなどのイベントの時期になると、昔ほどの規模ではないが、50台ほどの集会が開催されている。

 地元には先輩たちがつくったチームがあり、そこに所属するのが一般的である。私たちの時代から変わらないと思うが、抗争らしい抗争はほとんどない。沖縄は小さな島なので、となり町のチームに親戚がいたりと、なにかとしがらみがあるからである。

 また、沖縄には少年院が1つしかないので、そこで不良少年同士のつながりが生まれるということもあるだろう。不良少年というものは、今も昔もつながりを大事にするものだ。

 このようにして人脈が広がると、喧嘩や抗争などは縁遠くなり、むしろクリスマスなどのイベントに大勢で集まろうとするようになる。特に8月29日には「パニック」(「829」をかけてそう呼ばれている)という沖縄独自の集会があり、クリスマスや元旦などよりも盛り上がる。