「今回の大河は『ファミリードラマ』としてはよくできていると思うんです。役者さんのお芝居も上手ですし、ホロッとさせられるセリフや演出もあります。
ただ、それらを打ち消すくらいに、史実から大きく踏み出しているシーンがだんだん増えてきました。戦国時代を正しく理解するのには向いていませんので、受験を控える学生は注意して見た方がいいかもしれません」
こう指摘するのは歴史学者で共立女子大学教授の堀新氏。NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の相次ぐ“歴史改変”に批判が高まっている。
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仲野太賀(33)扮する豊臣秀吉の弟・秀長を主人公としたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』。兄の秀吉を池松壮亮(36)が演じ、戦国時代を生きる農民あがりの兄弟が天下統一を成し遂げるまでの道のりを描く成功譚だ。
“歴史改変”が指摘された「賤ヶ岳の決闘」
由々しき“歴史改変”があったのは、『豊臣兄弟!』の8月23日放送回。織田信長亡きあとの覇権を巡り、羽柴秀吉と柴田勝家の両陣営が激突した第32回「賤ヶ岳の決闘」での演出だ。
「劇中では、秀吉側の要所だった大岩山砦が早々に陥落。中川清秀が秀吉を裏切り、勝家側に寝返る場面が描かれました。その後、清秀は前田利家に殺され、その首が秀吉の足元に転がされます。ですが、大岩山砦を任されていた清秀が寝返ったとする史実はなく、勝家側の佐久間盛政に急襲され、討死したとされています」(テレビ担当記者)
“裏切り者”描写に「遺憾の念」
猛将として知られた清秀の“裏切り者”描写に心を痛めたのが、ゆかりのある大分県竹田市と大阪府茨木市だ。清秀は現在の竹田市を含む岡藩の初代藩主・中川秀成の父親で、現在の茨木市にあった茨木城で城主を務めた武将だった。
8月28日、両市の市長は連名で「史実とかけ離れている」として、NHKに「遺憾の念」を伝える文書を送付する事態に発展したのである。
その他にも数多くの場面で史実との矛盾が指摘される今回の大河ドラマ。現在配信中の「週刊文春 電子版」、10日(木)発売の「週刊文春」では、磯田道史氏ら歴史学者が指摘する“歴史改変”描写の詳細、またNHK会長を直撃した様子などを詳報している。


