釜本 彼の「早くボールを前線に出せ」という教えは正しいです。あの人は旧ユーゴスラビア代表のフォワードの選手だったから、早く自分にボールが欲しい(笑)。ただ日本人の特性として、選手たちは監督に言われたことばかり忠実にやるんですね。もう少し臨機応変に、時には緩急もつけて、ゆっくりしてからパッと行くこともしないと。
僕は、「なぜ日本代表の監督を、外国からばっかり高いお金を払って連れて来るんですか」と、ずっと言ってきました。どうして日本人の監督を育てないのか。一九九八年以降、岡田さんがピンチヒッターをした以外はすべて外国人監督。じゃあジーコが四年監督して、日本のサッカーは何が変わったんだ。ザッケローニが四年でさよならで、何を残したか。日本のサッカーの良さをもう一回きちっと問い直して、日本人監督を育成しなきゃいけないでしょう。選手を育成するのと同様に、指導者も育てなきゃいけない。そのためにお金をかけるべきです。四年間で何億というお金を払うなら、指導者の留学費などに充てたほうがいいと思うんです。
「黙っちゃダメですよ。ちゃんと言わなきゃ」
張本 グローバル時代なんだから、世界のサッカーを知ってる日本人はたくさんいるでしょう。
釜本 その通りなんですよ。でも、僕はずっと「こうだ」と思ったことを言ってきましたが、最近は、もう黙っていようかなと思うことがあります。レジェンドじゃなくて、そろそろ化石かなと。
張本 黙っちゃダメですよ。ちゃんと言わなきゃ。私が今、スポーツ選手だけではなくて、日本の若い人全体に言いたいのは、もっと日本という国の民族としての誇りと意地を持ってほしいということですね。日本人は、優秀で、義理堅くて、人情はあるし、勇敢。若い人たちには、この国のそうした本来の良さを守って、次の世代にバトンタッチする責任があると思っています。
釜本 そのご意見には、大いに賛成です。私たちも、伝えるべきことはきちんと次の世代に伝えていかないといけませんね。
※全文では、「大成功する選手の共通点」について張本勲さんが語っています。約7500字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』に掲載されています(張本勲×釜本邦茂「愛すればこそ喝!を叫ぶ」)

