──国と戦ったケースは、例えばどんなものがありますか?

 藏内 2005年に太宰府市で開館した九州国立博物館ですね。私はあそこで特別委員長をやっていました。当時、中曽根臨調の縛りで新しい国の施設は作らず、公務員も増やさないことになっていた。だけど、新しい国の博物館を作り、国の職員を増やすと。国の政策と真逆のことをしたわけです。国に陳情する前に、まず九州をまとめました。ここでは九州知事会だけではいかん。九州経済界、そして九州各県議会まで押さえるべしと。我々は各県議会を2周して説得しました。最初は「なんでもかんでも福岡一極集中はいけない」と言っていた県議たちが、徐々に「これは福岡であっても九州に作らねばならん」と風向きが変わってきました。

九州をまとめ国を動かす

──博物館を作る際、土地と金は?

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 藏内 まず土地は、太宰府天満宮の宮司さんがポンと提供してくれました。そして10億円の基金を作り、土地の造成を始めたら、案の定、国が怒り始めた。施設名から「九州」と「ナショナル」の文字を消せ、とね。でも結果的に、国が呑んだ。だから、福岡県議会は政策を作る。そして国も動かす。国に要請することもあるけど、その前に自ら九州をまとめる。それが九州の魅力なんです。

福岡を選挙区とする国会議員の麻生太郎氏(左)と武田良太氏 ©文藝春秋

 ──藏内さんは、麻生副総裁や武田元総務大臣ら、福岡を選挙区とする有力政治家とも対等に渡り合えると言われています。

 藏内 私は自分のことをドンだなんて思ったことはありません。ただ、彼らと喧嘩しているわけじゃないけど、国と地方では対立することもあるじゃないですか。そうなった時は、感情的になるのではなく、福岡、九州のためにはこの政策をやらんかい、とぶつかることもあります。それをマスコミは、「三国志」なんて喧嘩してるみたいに書いているけど(笑)。

※この続きでは、「高額な海外出張」に関する質問に藏内勇夫氏が答えています。約8900字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』と『文藝春秋』2026年10月号に掲載されています(藏内勇夫「『日本一悪い男』の告白」)。

■藏内勇夫(くらうち・いさお) 1953年福岡県筑後市生まれ。日大農獣医学部(当時)卒業後、福岡県議に当選し、10期務める。県会議長などを歴任し、今年4月には世界獣医師会長に就任した

文藝春秋

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「日本一悪い男」の告白

出典元

文藝春秋

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