ライブチャットとは、“チャットレディ”などと呼ばれる配信者(主に女性)が待機しているチャットルームに視聴者がアクセスし、チップを払って服を脱がせたり、自慰行為をさせたりして鑑賞するサービスだ。ネット上でもわいせつな行為は違法だが、「個室(プライベートチャット、VIPルーム)」でのそれは常習化している。

 サイト側は日本の法律に則って、配信者にも視聴者にも年齢制限を設けており、18歳以上(高校生不可)となっている。だが、未成年が年齢や身分を偽るなどして利用するケースは、私自身取材の中で散々見てきた。

 このライブチャットで、一体どんなAIソフトの開発が起きているのか。

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「収入でいえば月に数百万も珍しくありません」

 7月の暑い盛り、東京都紀尾井町の文藝春秋の会議室で会ったのが、鬼才エンジニアと評判の大野智樹(仮名)だ。清水からの紹介だった。大野はまだ20代と若く、アロハシャツにサンダルというラフなスタイルで現れた。

 大野は、理系の大学を卒業後、大手企業やベンチャー企業でのAIのシステム開発を経て、現在は独立してデータセンターの設計・構築の仕事を手掛けている。

 彼によれば、フリーのAIエンジニアは引く手数多で、表では正業によって収入を得ながら、裏でポルノ関連の仕事を請け負って稼いでいる人も少なくないという。大野と清水もそこで知り合ったそうだ。

 大野はAIとアダルトコンテンツの関係性について次のように話す。

「ライブチャットは、世界のポルノの中での人気コンテンツと言っていいと思います。当然お金もその分だけ集まります。

 日本のライブチャットは、少し前まで国内企業が日本人向けに合法的に運営していました。でも、今は海外の企業が運営するライブチャットを、世界各国のモデル(配信者)が利用し、ユーザーがそこにアクセスして有料で視聴するのがメジャーになりつつあります。日本の配信者も海外のプラットフォームを利用する人が増えていますね。理由はそっちの方が圧倒的に稼げるからでしょう。

©AFLO

 人気配信者の中にはタレントみたいに事務所に所属している人もいますよ。収入でいえば月に数百万も珍しくありません。トップクラスだと、億単位になるんじゃないでしょうか」

 そう言って大野がノートパソコンで見せてくれたのが、世界最大級のライブチャット「Stripchat」だった。

 コンテンツにはアラブ系、インド人、ラテン系、アジア系などと分類され、世界各国の配信者の顔が数えきれないほど並んでいた。日本人女性やカップルの配信者も数百人おり、アイコンの下に日本の国旗のマークがついている。

 そのうちの一つを大野がクリックすると、日本人女性が全裸でアダルトトイを胸と下腹部に当てているライブ映像が映し出された。自慰行為をしながらカメラの向こうの視聴者と掛け合いをしている。平日の夕方にもかかわらず、この配信の視聴者数は2000人を超えていた。