2018年公開のスティーブン・スピルバーグ監督作『レディ・プレイヤー1』で、「俺はガンダムで行く」というセリフを放ち、世界中を沸かせた俳優・森崎ウィンさん(36)。
しかしこの名台詞、実は台本に書かれていたものではなかった。現場で突然「ウィンが考えて」と告げられ、通訳担当者と相談しながら必死に生み出した一言だったのだ。森崎さん本人がインタビューで貴重な裏話を語った。
オーディション中、目の前にスピルバーグ監督が現れて…
『レディ・プレイヤー1』に出演するためのオーディションで、一次の映像審査を通過した森崎さんは、二次の対面審査の場で度肝を抜かれた。
「部屋に入ったら目の前に監督がいたので、『うわ、スティーブン・スピルバーグがいる』と思って。すごく緊張していたので、記憶がかなり断片的ですね」
合格の知らせを受けたときも、あまりに大きな話に森崎さんは「まじか」とポカーンとするばかりで、実感が湧く間もなく気づけばイギリスにいたという。撮影現場はハリウッドらしい豪華な雰囲気で、モーションキャプチャーをはじめとする最先端技術で開発しながら撮影を進めるという、当時はまだ前例の少ない撮影手法を採っていた。
スピルバーグ監督の印象について聞かれた森崎さんはこう語る。
「監督は『僕はみんなのおじいちゃんだと思って』と仰っていて、出演者のことも家族のように思ってくれていましたね。あまり厳しく指導されたこともなくて、とにかく優しかったです」
「え?俺が考えていいんですか」名台詞の誕生秘話
『レディ・プレイヤー1』の後半で、森崎さん演じる日本人のキャラクター・ダイトウが発する「俺はガンダムで行く」が生まれた経緯はドラマティックだ。
台本には英語で「ガンダムを選ぶ(Japanese)」とだけ書かれており、森崎さんは日本語のセリフをもらえるものだと思っていた。ところが現場に入ると、「ここはウィンが考えてね」と言われた。「え? 俺が考えていいんですか」と確認すると、「日本語喋れるでしょ」と返ってきたという。
「通訳さんに相談しながらいろいろ考えたんですよ。ガンダムなので、『行きまーす!』とかも考えたんですが、最終的に『俺はガンダムで行く』にしました。このセリフなら、短くて勢いが伝わって、かつギャグっぽくなりすぎず、アニメに対するリスペクトも出せるんじゃないかなと思ったんです」
スピルバーグ監督からは「本当に命をかけて戦争しに行く戦士だと思って、そのセリフを言ってほしい」と演出を受けていた。森崎さんが生んだこのセリフは、世界中のガンダムファン、そして映画ファンを熱狂させ、旋風を巻き起こした。歴史に残る名台詞の誕生だ。
しかし、当時の森崎さんにそこまでの予感はなかった。「このシーンをどうやって成立させようかということに精一杯だった」と明かす。編集でカットされる可能性すら頭にあった中、ただ目の前のシーンに全力を尽くした結果が、「俺はガンダムで行く」だったのだ。
『レディ・プレイヤー1』への出演は、森崎さんにとって「人生が180度変わった」と言えるほどの転機となった。そのあまりにも大きな影響については、インタビュー本編で詳しく語られている。
〈つづく〉

