水平避難ではなく垂直避難が鉄則
200人以上の犠牲者を出した2018年の西日本豪雨では、甚大な被害を受けた広島、岡山、愛媛3県17市町の避難率が平均で4.6%だったという。
「メディアのアンケートによれば、避難しなかった人の多くは『家のほうが安全だと思った』『自分の周辺は大丈夫だと思った』と回答したそうです。正常性バイアスは危険。大雨や台風の予報を見た時点で、避難行動にマインドを切り替えるべきです」(同前)
今年5月からは、防災気象情報の体系も刷新されている。「大雨」など4つの災害につき、警戒レベルは1から5の5段階。最大級の「特別警報」と連動する警戒レベル5は、災害発生または発生寸前で、すでに安全な避難はできず、命の危険がある状況だ。
「水害では水平避難ではなく垂直避難が鉄則。浸水の深さより高い位置に逃げるということです。マンション住まいの人は、土砂災害のリスクがない立地であれば、浸水想定の深さより居室が低い人をのぞき、高層階にとどまって、屋内で安全を確保することになります。自宅に残ってよいかどうかは、必ずハザードマップで確認を」(同前)
原則として、浸水想定地域に自宅がある場合、「危険警報」に相当する警戒レベル4の段階で、安全な場所へ避難を済ませる必要がある。あらかじめ安全な避難先を把握し、避難行動を決めておくことが肝要だ。
「行政が指定する緊急の避難場所もありますが、安全なエリアや建物に住む親族や友人宅に身を寄せるのも手です」(同前)
スマホが使える状態をキープ
レベル5大雨特別警報が発表された時、(4)むやみな車移動は厳禁だ。やむなく車を運転する際は、冠水した道路を絶対に避ける。
「スピードを出さず、水たまりには安易に突っ込まない。身の危険を感じたら迷わず車を置いて避難する判断を。ただし、車体がマフラーや床面まで水に浸かると、エンジンが停止し、ドアやパワーウインドウが作動しなくなる恐れもあります。窓を割って出ることになるので、脱出用のハンマーを常備しておくのが望ましい」(前出・野村氏)
