映画『藁にもすがる獣たち』は、欲望に突き動かされる人間たちを描いた物語だ。現金1億円入りのバッグを見つけて日常が一変する平凡な大学生・佐藤寛治を鈴鹿央士が、ミステリアスな夜職悪女「し~な」を森七菜が演じた。

写真:深野未季

「どんな状況でも楽しもうとしている森さんがとても素敵でした」(鈴鹿)

鈴鹿 もともと韓国版の映画を観ていたので、オファーをいただいて、すごく嬉しかったです。韓国版では中年男性だった主人公が、「大学生YouTuber」という現代的な設定に変わっていて、どうつくりあげていくのかも楽しみでした。

森 私はオファーをいただいてから韓国版の映画を拝見したのですが、想像以上にみんな獣で……「この役を本当に私がやるの?」と少し怯みました。

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 し~なは本当に“ヤバい女”で、肯定できる要素はほとんどありません。ただ、あれだけの情熱をほかのことに向けていたら、オリンピックで金メダルを取ることもできたのではないかと思うほど、強いエネルギーを感じました。

鈴鹿 寛治がすがりたいのは、お金よりも祖母との生活です。1億円あれば、認知症の疑いがある祖母とも一緒に暮らしていける。だから「おばあちゃんとの暮らしを守りたい」一心で、獣になったのだと想像しました。

寛治(鈴鹿央士/写真左)は祖母・富子(風吹ジュン)の認知症を疑う……。©曽根圭介/講談社 ©2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

──派手なアクションが多く、過酷な撮影だったのではないでしょうか。

鈴鹿 森さんとご一緒した炎のシーンはとくに大変でした。撮影スタート前から実際に燃やしているので、本当に暑くて。でも、どんな状況でも楽しもうとしている森さんがとても素敵でした。

森 炎のシーンは、本当に命がけでしたが、本物だからこそ映像にリアリティが出て、頑張ってよかったと思います。

鈴鹿 森さんはアクションシーンも結構ありましたよね。

森 アクションより銃のさばき方が難しくて……小道具の銃を家に持ち帰り、かなり練習しました。役柄のスタンプラリーがあったら、「銃を持つ役」「人を土に埋める役」にハンコが押せるくらい、新しい経験をさせていただきました。

鈴鹿 人を土に埋める役……! それだけ聞くと恐ろしい(笑)。

優しい一面も見せるし~な(森七菜)だが……。©曽根圭介/講談社 ©2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会