ただ私たちは特別な交渉をしたわけではなくて、インテルであれエヌビディアであれ、フェアな取引を求めたに過ぎません。「あなたが払ってくれるなら、私たちもちゃんとやるよ」っていうね。フェアであれば長く付き合えますから、結果としてお客さんを大事にできます。そしてこれはお客さんだけでなく、サプライヤーや社内でも同じ。誰に対してもフェアに付き合うことがビジネスを長く続ける秘訣です。
TSMCとはギブ・アンド・テイクの関係
――エヌビディア、インテルだけでなくTSMCもイビデンの技術を求めています。TSMCが日本にサプライヤーとの共同開発拠点(3DIC研究開発センター)を作る際には、イビデンが特に指名されたとか。
そうです、事実です。TSMCがどの企業に共同開発に参加してほしいかをいろいろ考え、「パッケージメーカーはやっぱりイビデン」となったそうです。TSMCとは関係がないわけではなかったのですが、エヌビディアのようなお客さんからイビデンがオーダーを受け、できたものをTSMCに送るという間接的な繋がりでしかありませんでした。
ですから、声がかかった時にはびっくりしましたが、嬉しかったですね。バイスプレジデントがわざわざうちまで来てくれたので、私たちも「ぜひ参加したいです」と答えました。
※約6000字の全文では、電撃訪日したエヌビディアCEOとの直談判について、イビデン社長が語っています。全文は、月刊文藝春秋の電子版『文藝春秋PLUS』に掲載されています(エヌビディア、インテル、TSMCが求愛する日本企業「イビデン」社長が語る“地方企業の生き残り方”)。
■関連記事
「倒産まであと30日」エヌビディアの爆走経営(杉本りうこ)
河島浩二(かわしま・こうじ) 1963年生まれ。慶応義塾大学理工学部管理工学科を卒業後、1987年にイビデン入社。アメリカ子会社、PKG(パッケージ)事業本部長、経営企画本部副本部長兼人事部長、電子事業本部長などを経て2024年6月からイビデンの第13代目社長。長年の顧客のインテルでは「コージ」と呼ばれて親しまれている。
