「中国が(海上)封鎖を行ってきたからといって、我々が降伏することは絶対にあり得ない」
台湾・頼清徳政権で安全保障政策の中枢を担う顧立雄(こ・りつゆう)国防部長(大臣)が、月刊「文藝春秋」10月号(9月10日発売)で、峯村健司氏(キヤノングローバル戦略研究所上席研究員)の単独インタビューに応じた。顧部長が日本メディアの取材に応じるのは初めてのことだ。
中国の行う“新型統一戦争”への対処
この数年で中国は、対台湾政策において全面上陸作戦から「新型統一戦争」に切り替えたと言われる。つまり、海上封鎖と認知戦(世論工作を含む情報戦)を組み合わせ、直接的な武力行使をせずに台湾を併合しようとしているのだ。この新型統一戦争にどう対処するのか、顧部長は次のように語った。
「(新型統一戦争とは)我々が抵抗しようとする意志を瓦解させることを狙い、全面的な上陸作戦を行う必要がなくなるというものだ。だが、我々が降伏しなければ、それは実行不可能となる。中国が封鎖を行ってきたからといって、我々が降伏することは絶対にあり得ない」
平均幅で180キロしかない台湾海峡だが、通過する貨物の総額は年間で2兆4500億ドル(約370兆円)に及ぶとされる。世界の海上貿易の20%以上であり、日本の輸出入分は約67兆円にも及ぶ。だからこそ、海上封鎖は中国にとって“諸刃の剣”だと顧部長は指摘する。

