9月の内閣改造で初入閣を果たした藤井比早之総務相(55)が、2024年の衆院選で公選法が禁じる運動員買収を行った疑いがあることが「週刊文春」の取材で分かった。
「選挙運動費用収支報告書」によれば、藤井氏は複数の地元議員らに対して、「労務者報酬」を支払っている。
支出が行われたのはいずれも公示日に当たる2024年10月15日だ。
では、この労務者報酬は何の対価なのか。9600円を受け取った兵庫県西脇市議の岸本年裕氏に尋ねると、「ポスター貼りのお金やろ」と語り、公示日に選挙用ポスターを貼った対価であると明かした。
報酬の支払いを認められていないケースに該当
ポスター貼りの対価として労務者報酬を払うこと自体は問題がないが、報酬の支払いを認められていないケースもある。それが、労務者報酬を受け取った当日に、選挙運動を行った場合だ。
総務省は過去、地方の選管に対して、「実態で判断するが、同日内に選挙運動に従事するのであれば、労務者報酬を支給することはできない」旨の見解を示している。
岸本市議に労務者報酬を受け取った公示日当日の動きを聞くと、西脇市内で開かれた藤井氏の出陣式に参加したことを認め、こう証言した。
「出陣式は大勢来とったですよ、色んな人がね。(参加した時は)僕は普通のスーツやで」
――みんなで「頑張ろうコール」も?
「そうそうそうそう」
公選法に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が語る。
「紛れもない選挙運動と言えます」
「地元議員が出陣式に参加して、一緒に頑張ろうコールを行う。それだけで、演説の場を盛り上げて、『この候補を応援している』というメッセージが有権者に伝わります。紛れもない選挙運動と言えます」
つまり、公示日当日に選挙運動を行った岸本市議に、ポスター貼りの報酬を支払ったことは公選法違反の疑いがあるのだ。
藤井氏の事務所に質問状を送ると、岸本市議本人に確認したとして、次のように回答した。
「選挙運動及びその収支報告について法令の規定に則り、適切に対応しているところです。(岸本市議は)出陣式にはポスターの番号確認のため顔出しのみした。その後ポスター(貼りを行った)。その他選挙運動にあたる活動については公示日当日は行っていない」
だが、岸本市議は、「週刊文春」の取材に対して、別の“疑惑”についても証言していた――。
現在配信中の「週刊文春 電子版」および10月1日発売の「週刊文春」では、藤井氏が労務者報酬を支払った他の地元議員の実名や、違法性が窺われる選挙戦の実態について詳しく報じている。



