「簗さんから直接『電話かけをお願いしたい』と電話が来て。それで、電話帳を見て個人個人のところに電話をかけました」
「作業が終わると、秘書の方から現金と領収書をもらいました」
別の事務員も次のように証言する。
「私がやっていたのは、『投票お願いします』といった電話です。スタッフから渡された名簿を見て『お願いします』と。簗さんも負けそうだったので、すごく必死だった。作業が終わると、秘書の方から現金と領収書をもらいました」
果たして、簗氏はこの選挙で、渡辺真太朗氏(無所属)の猛追を凌ぎ、178票差で辛勝を収めたのだった。
電話での投票依頼の対価を支払う約束で逮捕・有罪の事例も
選挙は民主主義の根幹だ。公正性を担保するため、一部の例外を除き、報酬の支払いを認めていない。過去には、電話での投票依頼の対価として時給800円を支払う約束をしたとして、衆院選の候補者が逮捕・起訴され、有罪判決が下った事例もある。
政治資金問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が指摘する。
「公職選挙法では、一般的な事務作業にのみ従事する選挙事務員が、電話での投票呼びかけのような選挙運動を行うことを認めていません。事務員が選挙運動に携わり、かつ報酬を支払っていれば、公職選挙法違反(運動員買収)に該当します。まして、簗氏本人が事務員に対し、投票の呼びかけを依頼していたとすれば、非常に悪質だと言えます」
簗事務所に事実関係の確認を求めたが、期限までに回答はなかった。
“恫喝音声”に加え、相次ぐ公職選挙法違反疑惑が発覚したことで、簗氏の説明責任を問う声が一層高まりそうだ。
《現在配信中の「週刊文春 電子版」ならびに10月15日(木)発売の「週刊文春」では、簗氏の運動員買収疑惑に関する事務員5人の重大証言や、簗氏が秘書に送った“買収指示メール”の中身、さらに簗氏と家族の複雑な関係や、裏金事件を巡る“開き直り音声”などについて5ページにわたって詳報している。
また、「週刊文春」では引き続き、簗氏に関する取材を進めています。情報提供は文春リークスまでお寄せください》

