公職選挙法は、電話による投票の呼びかけに対して報酬を支払うことを買収として固く禁じている。一方、来客応対などを担う選挙事務員には、一定の条件で報酬を支払うことが認められている。ただ、「事務員」という名目でも、電話による投票の呼びかけの対価として報酬を支払えば、買収に該当する。
ところが、「週刊文春」の取材に対し、簗陣営の選挙に携わった5人の事務員が「電話かけなどの投票依頼で報酬を受け取った」などと証言。公職選挙法違反(運動員買収)の疑いが濃厚になったのだ。
〈選挙事務所として支払いをするようにして下さい〉
ただ、それだけではなかった。事務員の一人は「簗さんに電話かけをお願いされた」と証言。さらに、簗氏は過去の衆院選で秘書に、電話かけなどの投票依頼に関連して以下のようなメールを送っていたのだ。
〈選挙事務所として支払いをするようにして下さい〉
公職選挙法に抵触しかねないとして、「秘書は抵抗していた」(元選対幹部)という。
つまり、簗氏自らが、選挙運動に携わった事務員に報酬を支払うことを命じていたことになる。過去には候補者の逮捕にも繋がったケースもある問題だけに、専門家は「簗氏自身が関与していれば、驚きを禁じえない」などと指摘している。
簗氏の事務所に10月12日午前、事実関係の確認を求める質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。
連休明けの13日、一気に更迭に傾いた
「高市首相は10月12日までの3連休中は『更迭せずとも乗り切れる』と踏んでいました。しかし、簗氏側は質問状が届いた段階で『週刊文春』が15日発売号で何を報じるか、一定程度把握したと思われます。首相側もシャトルバス問題だけでなく、運動員買収まで発覚すればとても庇いきれない。連休明けの13日、一気に更迭に傾いた形です。結果、14日夜、予算委員会散会後の辞任となりました」(官邸関係者)
簗氏は辞任直前、一連の疑惑について「説明を尽くす」と述べていた。閣僚は更迭されても、選良である以上、説明責任が問われ続ける。
《現在配信中の「週刊文春 電子版」ならびに10月15日(木)発売の「週刊文春」では、更迭の決定打となった簗氏の運動員買収疑惑に関する事務員5人の重大証言や、簗氏が秘書に送った“買収指示メール”の中身、さらに簗氏と家族の複雑な関係や、裏金事件を巡る“開き直り音声”などについて5ページにわたって詳報している》



