90年代のブレイク当時は“清楚可憐なヒロイン”や“芯の強い凛とした主人公”といった王道路線を歩んでいた彼女が、まさかとてつもなくぶっ飛んだ「怪演の第一人者」になるとは、誰が予想していたでしょうか。

 映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』に出演中の、水野美紀さん(52)のことです。今作で水野さんが演じたのは捜査本部を取り仕切る新米管理官の母・雪乃。実は『踊る』劇中の雪乃も、雪乃を演じる水野美紀さんも、1997年当時から“立ち位置”が変化しているのです。

水野美紀(2003年9月撮影) ©時事通信社

長らくテレビから消えていた

 1974年生まれの水野美紀さんが世間に認知されはじめたのは1992年。唐沢寿明さんに「ねぇ、チューして」とおねだりする「コーセー ルシェリ」のCM、人気キャラ・春麗(チュンリー)に扮した「ストリートファイターII」のCMに出演し、注目を集めました。

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 1994年には大手芸能事務所であるバーニングプロダクションに移籍。1997年の連ドラ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)にレギュラー出演し、本格ブレイク。2001年には『女子アナ。』(フジテレビ系)で連ドラ初主演を果たし、2002年も『初体験』(フジテレビ系)、『しあわせのシッポ』(TBS系)と立て続けに連ドラで主演しています。しかし、長らくテレビから消えていた時期があったのです。

『踊る大捜査線』シリーズに柏木雪乃役で出演 ©時事通信社

 2002年、「劇団☆新感線」の舞台に初出演した彼女は、舞台俳優たちの演技に衝撃と感銘を受け、自身の役者としての方向性に迷いが生じたようです。結果、2005年にバーニングプロから独立。次々と舞台に出演していくようになります。

 後年、水野さんは「週刊文春」(2009年4月9日号)のインタビューでこう語っていました。

〈自分が映像で培ってきたお芝居の経験や感覚が、舞台では全く通用しなかったんです。それがもう新鮮で、とにかく舞台に出て芝居がうまくなりたい、と。でも、その方向は事務所のカラーとは決定的に違っていて、だったら一人でイチからやってみよう、ということで辞めたんです〉