簗和生前農相(47)の陣営が、2024年の衆院選で選挙運動の対価として事務員に報酬を支払ったことは公職選挙法違反(運動員買収)の疑いがあるとして、大学教授が簗氏と出納責任者の2人に対する告発状を宇都宮地検に送付したことが、「週刊文春」の取材でわかった。告発状は10月19日付。
5人の事務員が証言し、秘書の指示メールの存在も
簗氏を巡っては、「週刊文春」電子版が9月30日に、自身を支持しない自治体の「予算をカットする」と発言した“恫喝音声”の存在や、「週刊文春」10月8日発売号で衆院選で有権者を無料で出陣式の会場までシャトルバスで送迎したとする問題などを報じてきた。簗氏は10月13日の国会でシャトルバス問題について「利益供与は一切ない」などと答弁していたが、翌10月14日夜に辞表を提出。就任からわずか1カ月で事実上の更迭となった。
一方、簗氏の“運動員買収”疑惑は「週刊文春」電子版が10月14日昼配信の記事で報じたものだ。簗氏の陣営で、選挙に携わった5人の事務員が「電話かけなどの投票依頼で報酬を受け取った」などと証言。さらに、簗氏が秘書に対し、「選挙事務所として支払いをするようにして下さい」などと指示したメールの存在も明らかになった。
「検察には捜査を尽くしてほしいと思います」
これについて、神戸学院大学の上脇博之教授が2024年の衆院選で運動員を買収した公職選挙法違反の疑いがあるとして、宇都宮地検に告発状を送付した。
上脇教授が指摘する。
「公職選挙法では、一般的な事務作業にのみ従事する選挙事務員が、電話での投票呼びかけのような選挙運動を行うことを認めていません。事務員が選挙運動に携わり、かつ報酬を支払っていれば、公職選挙法違反(運動員買収)に該当します。まして、簗氏本人が事務員に対し、投票の呼びかけを依頼していたとすれば、非常に悪質だと言えます」
上脇教授はシャトルバス問題についても、公職選挙法違反(有権者買収)の疑いがあるとして、宇都宮地検に告発状を送付している。
「簗氏の選挙は、複数の公職選挙法違反の疑いがある。選挙は民主主義の根幹です。検察には捜査を尽くしてほしいと思います」(同前)
《現在配信中の「週刊文春 電子版」ならびに10月15日(木)発売の「週刊文春」では、運動員買収疑惑に関する事務員らの重大証言や、簗氏が秘書に送った指示メール、裏金事件を巡る“開き直り音声”などについて5ページにわたって詳報している》




