相談所の入会後は、怒涛のお見合いが続いた。本来ならば50代女性の婚活は苦戦が予想されるが、前向きに婚活に取り組んだ荒川さんの場合、次々とお見合いが決まっていったようだ。

写真はイメージ ©graphica/イメージマート

「相談所は入会金が36万円ぐらいで月会費は3万円、成婚退会費用が60万円。約半年間の婚活で120万円ほどかかりました。金銭的にも体力的にも大変でしたが、『絶対に幸せをつかむ!』という強い信念のもと、積極的に活動を続けました。プロフィールで家族構成や年収など大抵のことはわかるので、初回のお見合いではプライベートなことは深掘りせず、楽しく会話することを心がけました。

 なかには、婚活歴7~8年という男性もいて、過去に会った女性の悪口を言ったり会社の愚痴を延々と話す人もいて、『この人、本気で結婚したいのかな?』って思うこともありました。それぞれ事情があると思うんですが、せっかくの機会ですから、お相手と楽しい時間を過ごそうという明るい気持ちや、思いやりが大切だと感じました。そして、17人目のお見合いで、やっと今の夫に出会えたんです」

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毎週末デートし、出会って3カ月後に成婚退会、9カ月後に結婚

 初回のお見合いはホテルのラウンジなどで1時間お茶をするのが、相談所のルールだ。運命の出会いとなった男性とは、互いに旅行やカメラ、富士山が好きという共通項で意気投合し、交際はトントン拍子で進んでいった。

「毎週末デートをして、出会って3カ月後には成婚退会しました。そこから実際に結婚したのが9カ月後くらい。夫は初婚で、私の兄と同じ年齢でした。どうしてこんな素敵な人が今まで独身だったのとびっくりするぐらい紳士的で、優しい人でした」

 結婚生活では喧嘩もなく、夫婦で穏やかな時間を過ごしている。結婚の第一条件だった「一緒にご飯を美味しく食べられる人」という希望もバッチリ叶えられているという。

「結婚後は精神的にもすごく安定して、病もすべて完治し、以前のように歌の仕事ができるようになりました。私のように50~60代で結婚に踏み出せない人って周りにもたくさんいて、『誰かいい人がいたら』と言うんですけど、みんな自分から行動しないんです。でも本当にそれでいいの? と思ってしまいます。結局どれだけ『1人が気楽』と言ったって、やはり誰かそばにいてほしい、と最後は思うんじゃないでしょうか? 結婚という形にこだわらないとしても」

「死」を意識するほどどん底を経験した荒川さんにとって、「中年婚活」は間違いなく人生を大きく変えたターニングポイントとなったようだ。