「車上運動員登録しましたが、実際は…」事務所の回答
選挙運動費用収支報告書には、支払いを証明するための領収書や振込明細などが添付される。
武部氏の書類を確認すると、北見信用金庫が発行した「振込依頼書」が提出されている。そこには、X氏への〈選挙運動記録用写真・動画撮影代〉として、11月13日付で、86 万8738円の支払いが記載されているのだ。
公選法に詳しい日本大学の安野修右准教授が語る。
「プロカメラマンとしての写真・動画撮影に加え、SNSへのアップなど、ネット対策を率いる立場であれば、主体性や裁量性を持つ選挙運動員だと言えます。そもそも、選挙運動費用収支報告書には〈無償車上運動員〉と記され、選挙運動員であることを陣営が認めています。実態が選挙運動への対価だとすれば、斎藤知事のケースと同様、運動員買収が疑われます」
そもそも、金融機関の「振込依頼書」があるにもかかわらず、その支出が選挙運動費用収支報告書に記載されていないことは、極めて不可解な処理である。
武部氏の事務所に尋ねると、「振込依頼書」があるのに、その支出を記載しなかった問題には答えず、次のように回答した。
「当事務所の指示に基づいた写真及び動画撮影の業務を委託しました。状況によっては選挙カーの中から撮影する場面も生じるのではないかとのことで、念のため公選法に沿って車上運動員登録しましたが、実際は同氏自身の車を使用し撮影しました。車上運動員としての選挙運動は一切していません。ネット戦略を担当頂いた事実もありません」
現在配信中の「週刊文春 電子版」及び10月22日(木)発売の「週刊文春」では、X氏に対する直撃取材など、買収疑惑の詳細に加え、武部氏の父・勤氏へが息子に送った「エール」についても報じている。

