入口の看板には「ケガやけんかも大切な学び」や「すぐに『危ない』『だめ』と言わずに、まずは子どもを信じて、温かく見守ってください」などのメッセージが掲げられています。

ケガやケンカまで想定内という、冒険遊び場ならではのメッセージ

 線路沿いということもあり、大きな焚き火はできませんが、七輪の中での焚き火はOK。子どもたちは好きなときに自分で火起こしして、べっこう飴をつくったり、もってきたウィンナーを焼いたりしていました。駄菓子屋には餅やマシュマロも売っているので、それを買って焼くこともできます。

 木工場には工具や廃材が置かれていて、子どもたちは自由にそれを使って好きなものをつくります。剣やライフルなど武器をつくる子が多いようです。五寸釘を七輪で熱して金槌で叩いて五寸釘ナイフをつくっている子もいました。

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 プレイリーダーと呼ばれるスタッフが、子どもたちの遊びを見守り、さりげなく発展させます。彼らはプレイワークという知識と技術を身につけた遊び場づくりの専門家です。

5年生の男の子が作った「要塞」は2階建て+地下室の本格仕様

 敷地のいちばん奥にひときわ大きな基地がありました。基地というより、要塞です(写真)。主は深くかぶった野球帽の下に眼鏡をかけた5年生の男の子。中を案内してもらいました。

 私が独身のころに住んでいたアパートよりもずっと広い空間です。2階建てで地下室まであります。いちばん高いところが見張り台で、その脇に、真っ赤な旗が誇らしげにはためいています。

いちばん大きな「要塞」以外にもプレイリーダーや子どもたちが作った建造物がたくさん

 ここを15人くらいの仲間で守っているそうです。見張り台の横には、敵の襲撃に備えて弓矢やパチンコや投擲用の石が用意されています。門は西洋の城を思わせる跳ね橋式。その脇の警護をなんと、緑に塗装された木製の戦車が固めています。ちゃんと車輪もついていて、乗れるそうです。

「この基地をつくるのにどれくらいかかったの?」

「うーん、半年くらいかな」

「でもまだいろいろ、壁を補強したりしてるんだね」

「この基地に完成はない……」

——名言、いただきました。

 設計図があるわけではなさそうです。しかし「もっと見張り台の防御を固めなきゃ」みたいに次々にやるべきことが浮かんでくるのでしょう。誰から言われるでもなく、目的があるわけでもない。究極の遊びです。まるで人生そのものです。