10月2日からの公開初週、スピルバーグ監督の『ディスクロージャー・デイ』をおさえて初登場1位! 以来、累計動員数百万人を達成、興行収入は15億円を突破。そんな“ママせか”ヒットの理由を調査してきました!
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今週のターゲット『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』
〈あらすじ・概要〉21歳でステージⅣの大腸がんを宣告された和(のどか)(川口春奈)は、恋人の将一(高杉真宙)と結婚し、やがて子どもを産むことを決意するが──。家族と過ごしたかけがえのない時間を描く。もとになっているのは、遠藤和さんが亡くなる10日前まで綴った日記を書籍化した同名本。山戸結希監督。124分。公開中。
三連休明けのTOHOシネマズ新宿は、平日昼の回にもかかわらず、ほぼ満席! 目につくのは若い女性の二人連れ。実際、「めちゃくちゃ泣くらしいよ」「じゃあ一緒に見に行こう」といった口コミが女性たちを動かしているとか。さあ、どうなりますか。
主人公は、わずか21歳で末期がんと向き合うことになった実在の女性・和さん。題名からして結末がわかることもあってか、上映が始まって間もなく客席のあちこちからすすり泣く声が聞こえてきました。
なるほど、これは一種の“涙活”なのかもしれません……。なんて、こちらも冷静な分析どころではなかったのですが――そこは、いいオトナ。恋人である将一さんが、病を知っても彼女から離れずに結婚を決意。さらに家を買い、犬好きの和さんのために保護犬まで迎え入れるという、どこまでも献身的な姿を見ているうちに、妙に現実的な心配が頭をもたげてきました。病状が悪化したら犬の世話は誰がするのか。あるいは、残された夫も若い。その後の長い人生をどう考えているのか……的な。と、そこで我に返りました。これは実在した夫婦の選択。良い悪いで論じる話ではありませんよね。まあ、それだけ感情移入していたという証。
一方で、単なる「若くして亡くなった女性」の話じゃないことにも気づきました。結婚したい、子どもが欲しい、家族になりたい。これは限られた時間の中でも、自分の人生を自分で選ぼうとする、短くても確かにあった幸福な時間を残そうとした女性の物語なのです。
その和さんを演じるのが、今年8月に結婚、子どもを授かったことを発表した川口春奈。となれば、どうしたって、彼女自身の心情まで重ねてしまいますよね。全く異なる環境ながら人生の選択というステージにいる女性という共通項は強い! いつものスターらしさを消して化粧気のない顔も見せ、治療によって少しずつ変化していく和さんの姿に寄り添っています。あえて顔のアップを続けないカメラワークも効果的で、ふとした瞬間に、病気が日常の中に突然入り込んでくる怖さを感じました。そんな時間の共有を感じさせる作品だからこそ「誰かと一緒に見て泣きたい」という思いになるのかもしれません。帰りの会話はもちろん、「家族を大切にしよう」。この普遍性にはスピルバーグ新作も敵わなかったということでしょう。



