“総スカン”での学び「監督は球団と現場の『中間管理職』」
ソフトバンク監督時代も失敗から学んだ。元ホークス担当記者が振り返る。
「2015年、就任1年目でリーグ優勝と日本一を果たすと、空気の読めない言動が目立つようになっていた。ミスした選手を茶化したり、試合後にネチネチと長時間説教したり。頭ごなしに自分の考えを押し付けるので、チーム内では“総スカン”状態だったのです」
こうして2年目、連覇を逃した工藤氏は、翌年からワンマン思考を改めた。
「監督を球団と現場の『中間管理職』と位置付け、コーチや選手との距離感やコミュニケーションのあり方を見直しました」(同前)
中日OBで、工藤とは愛工大名電高校の後輩にあたる山﨑武司氏が語る。
「戦力は決して他球団に見劣りしない。髙橋宏斗、細川成也、岡林勇希ら主力選手たちが本来の働きをできれば、浮上できるはずです」
冒頭の講演で、工藤氏は中日の惨状に触れつつ、こう自信をのぞかせた。
「ここ最近は、6位6位6位4位6位。そういう状況になっていることを考えれば、自分に何かできることがあるんじゃないかなと」
「あとは上がるだけ」染みついた負け癖の払拭へ
勝算もあるのだろう。スポーツ紙デスクが語る。
「最下位から下はなく、あとは上がるだけ。また、来季からはセ・リーグにもDH制が採用される。工藤氏は経験のあるパ・リーグの野球をすればよいのです」
染みついた負け癖も払拭しなければいけないが、工藤氏と同学年で、中日OBの金村義明氏はこう明かす。
「先日、名古屋の仕事で中日の現役選手と話しましたが、彼らは勝ちに飢え、新監督に期待しています」
スポーツジャーナリストの二宮清純氏が指摘する。
「今季の中日は逆転負けが40試合で、12球団ワースト。これを半分にできれば、優勝ラインの80勝に届く。工藤氏は勝ち方を知っている監督。来季は優勝争いに絡んでくるでしょう」
工藤体制のもと、中日は暗黒期から抜け出せるか。
