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日本の名監督たちが敬礼した映画も
「東京物語」(53・松竹)
尾道に住む老夫婦が上京して、子供たちに会ってゆくが、どこも良い顔をしない。喜んで親身になってくれたのは戦死した息子の嫁(原節子)だけだった、というリアリズム。老夫婦は尾道に帰り、老妻は急死する。笠智衆と東山千栄子の老夫婦が見事。こうしたドラマは日本だけではない。世界中で感動を呼び、静かな悲劇は小津安二郎の代表作となった。
「女の園」(54・松竹)
木下惠介のピークはこの映画ではないか。京都の封建的な女子大を舞台にしている。寮母役の高峰三枝子がこわかった。
「七人の侍」(54・東宝)
忘れもしない、大学三年のとき、この映画と「ゴジラ」が東宝を代表していた。
「七人の侍」は大ヒットして、アメリカでは「荒野の七人」になるが、アメリカ版で面白かったのは、スティーヴ・マックィーンのみ。
日本版は三船敏郎と宮口精二(剣豪)がとび抜けていた。登場人物全員が過去を背負っている。ラストまで息もつけない。好きだなあ、こういうの。
※「淑女は何を忘れたか」「エノケンの頑張り戦術」から「火口のふたり」「ドライブ・マイ・カー」まで……小林氏が選んだ「日本映画ベスト50」とは。約9000字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』に掲載されています(小林信彦「『日本映画ベスト50』 わが洋画・邦画ベスト100」)。
